最後は痛快
★★★★★
Brimestone,Dance of Deathと続く3部作の最後で、ベンダーガスト捜査官は捕えられ、弟のディオゲネスの犯罪は着々と進行していくところから話は始まります。
だが何といっても暗めの話が続くこのシリーズにしては、最後が痛快で、とても満足しました。
私は、Brimstoneから1年おきくらいに読んだので、話のつながりを思い出しながら読みましたが、この3部は間違いなく面白いので、3つとも買って、続けて読んでください。
このシリーズを読んでない人は、次の順番で読むことをお勧めします。
Relic,Reliquary,Thunderhead(ベンダーガストは登場しませんが、他の登場人物が出てきます),The Cabinet of Curiosity(Brimstoneの前段とも言えます),Still Life with Crows(ベンダーガストが主人公ですが、他の小説との連続性はありません),の次がこの3部作です。
またも傑作
★★★★★
前作"Dance of Death"の続編。宿敵の実弟デオゲネスの罠にかかった最愛の人レディ・マスカレンを救い出す為にダガスタ刑事をかばって官憲に捕らわれたペンダーガスト捜査官は重犯罪者専用の矯正施設に入れられ座して判決を待つ身。代わって活躍するのが、今やはぐれ刑事になってしまったダガスタと別れた元恋人のヘイワードNYPD殺人課課長。ダガスタはICE LIMITで登場した不可能を可能にする男イーライ・グリンらと組んでペンダーガストを脱獄させるべく、行動を開始。一方ヘイワードは自然史博物館の地下に眠る30年代に封印されたエジプトの高官の墳墓で起こった不可解な殺人事件に挑む。ヘイワードはデオゲネスが背後にいることに直感的に気づきつつも職務上目下の事件解決に専念せざるを得ない。生臭い血の臭いがページから漂ってきそうなスプラッタな描写もあるが、アカデミックな面白さもない交ぜた相変わらずテンションが高く吸引力のある文体は健在で、ページを繰るのが惜しいくらいに楽しい傑作だ。