この表紙だけは勘弁して欲しい
★★★☆☆
“Relic”でデビューしたPreston、Childコンビの第3作であり同作の続編。
とは言うものの、登場人物等は共通ですが内容は安易に同作の路線をそのまま踏襲せず、新たな世界を構築しておりました。舞台を博物館から広くマンハッタン島のセントラルパーク以西に存在する広大な地下トンネルに移し、不気味な世界を展開しています。1作目は何処となく洗練されていない荒削りで単線的なパニック物でしたが、本作はアクティビスト(活動家)に扇動されたデモを絡ませる等社会的な要素も交えながら、同時多発的な騒乱状態のクライマックスに巧みに誘導して行きます。
デビュー作との繋がりを上手く維持しながら、単なるモンスター・パニック作になっていない所が非常に意外であり、恐らく作者達の最大の眼目だったのでしょう。であればこそ、それを台無しにするかのような表紙は勘弁して欲しかったです。
Relic×100
★★★★★
Relicで死ぬ思いをしてから18ヶ月後のお話。ニューヨークの汚水だまりの中から二人の首なし死体が発見され、犠牲者の一人については身元が確認されたが、もう一人については不思議な骨格から、国立自然博物館に遺体が持ち込まれる。
スピード感もあるし面白いと思いますが、Relicの続編で、そのときの登場人物がそれぞれの役割を果たして展開していくという感じです。
Relicを読んだ人は読まないわけにはいかないと思います。
Relicの幕は閉じていなかった!
★★★★☆
ニューヨークの下水排水路で偶然引き揚げられた2体の首無し死体。遺骨に残された不可解な咬み痕からミステリー劇場の幕が上がった。そして登場人物は、「Relic」に登場したLieutenant D’Agosta, Margo Green, Bill Smithback そしてFBI特別捜査官 Pendergast! 千両役者は揃った!!
今回の謎解きの舞台は、マンハッタンの地下深く歴史から忘れ去られ放置された無数の地下迷路、そこで暮らすMoles(地下ホームレス)。そのMolesを襲う謎の怪物。地下迷路と同様に絡まった謎が一つ、一つ解き明かされ、「Relic」の悪夢が蘇る。
「Relic」の幕は下りていなかった!
「Reliquary」の謎が「Relic」の謎に絡み、最後で一本になるというストーリーを千両役者が演じきっています。舞台設定もすばらしく、中だるみすることも無く一気に読みきれる作品と思います。「Relic」を読んだ人は、続けて読むことをお勧めします。