正直しんどい・・・
★★☆☆☆
頭の中でアニメに直して読めばよかったと気がついたのは、読み終わってから。やたらにディープな蘊蓄の詰まった漫画の原作といった感想。著者の沖縄に対する思い入れとともに登場する人物は、混血の女子高生だったり、露出マニアの天才学者(秀逸!これ一作ではもったいない)だったり、肝っ玉オバぁだったり、キャラクターの輪郭が基本的に漫画。悪魔だか呪いだかと近代科学が奇妙に合体していたりするのは正直目まいがする。結局ベッテルハイムは世界に対して何をしたかったのか書いてあったかな?作者のイマジネーションは認めるとしても、読み通すのは正直しんどかった。特にクライマックスのレキオスが出現するシーンでは、レキオスの形態と動きをもっと描写してもらわないと何が起きているのかわからない。漫画化されているようだからそちらを先に読めばわかりやすかったのかもしれない。疲れた。
よくこんな世界を発想できる
★★★☆☆
これまで読んだ著者の本では、半分くらい読んだ辺りから少しずつ全体が見えてきました。ところが本書では2/3を過ぎても訳の分からない世界のままでした。いつもは一気に読むのに読了まで休日3日を要しました。
で、読了後の感想といえば複雑。あり得ない世界の中での論理の一貫性はいつものことですが、その論理の世界になかなか入っていけませんでした。147年を隔てた主として2つの世界だけでなく、3000年にわたるストーリーの壮大さに私の理解が追いつかなかったと感じています。
もう一度読み直せば理解できる気はしますが、結末を知ってしまっているので、そこまでする気はありません。でもよくこんな世界を発想できるものです。「やどかり・・」を読めばその一端は伺えますが。
相変わらずの暴走ぶり
★★★☆☆
シャングリ・ラの原点とかかれたので手にとって見ましたがこちらのほうが面白かったです。
シャングリ・ラとの対比になりますがシャングリ・ラにはアニメ化しやすくまとめたところが鼻につきましたが、こちらはそんなのかんけーねーとばかりの暴走ぶりが面白い。とにかく無意味な濃さが良い。特にサマンサ・・・。
ちょっと盛り込みすぎな印象を受けました。
★★★☆☆
はじめのあたりは、すごくおもしろく読めたのですが、ストーリーが進むにつれ、
だんだんついていけなくなってしまいました。
舞台である沖縄の描写、主人公であるハーフの女子高生デニス、
そして彼女の守護霊チルー……これだけでも十分個性的なのに、
次から次へと特殊な設定のキャラクターがバンバン出てきたり、
世界観も沖縄だったりインドだったりキリスト教の言葉が用いられたりと、
あまりにもいろんな要素が盛り込まれすぎているような印象を受けました。
沖縄はそういう文化の混在したところなのだ、と言われればそれまでなのですが、
できれば、デニスとチルー以外のキャラクターはひかえめな感じにしてほしかったです。
脇役のサマンサなどもキャラとしては悪くはないのですが、
物語の世界観からどうしても浮いているように見えました。SFアニメの「AKIRA」に、
萌えアニメ系の美少女が出ているような、そういう違和感があるのです。
ちょっとつらかった。
★★★☆☆
ありえない設定とか、時代考証とか、そんなものはどうでもいい。だって彼はそういう作家なのだから。SFやアニメなどと同じく、エンターテインメントにおいてリアリティというのは、その物語内だけで成立していれば良いのだ。現代と比べる必要はない。そういう意味ではすごい才能を持った作家だと思う。ただどんな作品でも、やっぱりページを捲らせる力は必要で、その点に関してはよろしくなかった。無駄な文章が多いせいだろうか。もっとすっきり削ってほしかった、というのが正直な感想です。「シャングリラ」が素晴らしく面白かっただけに、残念です。