交響曲の進む道
★★★★☆
ポーランド生まれのシマノフスキによる交響曲第2番と第3番。第2番の方はエヴァ・マルチクのヴァイオリン・ソロが入る。第1楽章の深い森を思わせる神秘的なメロディに続く第2楽章はテーマと変奏第1番から第8番までと異色。最後のフーガは金管が咆哮しチャイコフスキ風で、抜群の盛り上がりの上「とん」と終了。変ロ長調ながら短調風にも聞こえる、やはり現代の交響曲である。交響曲第3番「夜の歌」は、リシャルド・ミンキェヴィッチのテノール・ソロとワルシャワ・フィルハーモニー合唱団のコーラスが入る。マーラーとも異なる不思議な魅力を持つ交響曲。第3楽章中間部等は大迫力の演奏で感動的。フィナーレは静かに終了する。ベートーヴェンに飽きた人に交響曲の進む道を示す一枚。アントン・ヴィト指揮ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏も卓抜。