高校時代のVictoriaのO Magnum Mysteriumを聴く機会を得て以来　Victoriaのファンである。もう２５年経ったわけだ。

　このアルバムでは４分５１秒という演奏時間である。僕が昔買ったアルバムは３分１５秒であることを考えると　誠にゆったりとした演奏だ。但し　ゆっくりした演奏であると　ビート感は失われる一方　細かいコード進行が良く分かる。

　冬の早朝にゆっくり聞いているところだ。まだ外は真っ暗だ。目を閉じて　曲に聴き入っていると　これを初めて聴いた高校時代が　眼前に立ち上がってくる。高校生が何を思って　中世の宗教曲が気に入ったのかはもう忘れてしまった。但し　この曲の比類の無い美しさに２５年前の僕が惹かれていたのであるなら　それはそれで　自分に感心する次第だ。

Victoria: O Magnum Mysterium の魅力を余すところなく引き出した演奏。聴き始めると、残響の豊かな教会の中に引き込まれ、どっぷりと浸ってしまう。テンポはかなりゆっくりであるが、声がまっすぐに伸び、適度な緊張感が保たれているめ、聞く側に精神的ゆとりがあれば、たっぷりと楽しむことができる。