ナチュラルまりん
★★★★★
紙ジャケが出たのを機会に買い直してみた。
ビクター時代ではこのアルバムが一番自然な感じで聴けた。
やはり、あまり音自体をいじらず、エコーを控えめにして
間を生かす。中音域にフォーカスしてヴォーカルを引き出す。
そんな清水信之のアレンジによるところが大なのだろう。
「僕の魔法」は飯島真理の「ヴィーナス&マース」だ。
サーカスやクラシックのあの曲なんかも顔を出して、
にぎやかなオープニング。「サージェント・ペパーズ」も。
でも、曲全体は「励まし」ソングなのが、らしい。
「ひとりぼっちが好き」はアレンジが(イントロ注意)
「天使の絵の具」(シングル・バージョン)。
EPOのコーラスはさすがに上手い。
「ガールフレンド」は親友を彼氏に紹介したら、
いつまににか盗られちゃったという曲。
クラスメイトがモデルか?
マイケル・ジャクソンの同名異曲もあったね。
「いつものパーティー」もしみじみソング。
21世紀にはこういう曲聴けないなぁ。
「二つの風船」LPのB面1曲目にはこういうアップを入れる、
というのも懐かしい。でも詞はもの悲しい。
「雨の街で」渋谷ルイードでのライブでは
少し詞が変わってサビもついたが、
いわゆるピアノ弾き語り系SSW系。
「TightRope」は妻子ある男との不倫を歌う。
好きだけど身を引くってのは演歌みたいだが。
本人談ではエンディングのシンセをルパート・ハインの
「イミュニティ」みたいに弾いてほしいと、
清水にリクエストしたという。
その余韻を引き継いで「恋はきままに」。
この曲のイメージが「midori」のテーマで、
やっぱり「失恋」ソング。お得意の「ピリオド打つ」などのフレーズも。
全体を通して聴くと、清水のキーボードとストリングスを中心とした
アレンジが飯島の声と相性がよかった。できればもう一枚作ってほしかった・・。
多分一番人気。
★★★★★
ビクター時代のアルバムで一番「わかりやすいPOP感」を味わえるアルバムであり、周囲の評判も良く、完成度は高い。難点をあえて言うと、今回は歌詞がなんとなくプライベート過ぎてるかな?もともと「私小説」的な歌詞が多かった彼女だけど、ちょっと解りにくい部分も。メロディは最高なんだけど。でもビクター時代のアルバムで一枚ならこれがやはり聴きやすいかな?シングル「1グラムの幸福」はこのアルバムに入ればバランス的にもっと良くなったかも。
濃いミドリ
★★★★☆
全曲作詞・作曲というシンガー・ソングライターとしての資質を存分に発揮した1985年のサードアルバム。
声がアニメチックなので、ついつい敬遠しがちな飯島真理でしたが、このアルバムのポップなメロディの普遍性にはやられました。また清水信之によるちょっとテクノポップぽいアレンジが、今聴くととても新鮮で、かわいい声とうまくマッチしています。特に、そのマジックが効いているのが、M2の「ひとりぼっちが好き」で、この曲は生粋のテクノポップ好きにも、グッとくるものがあると思います。センチで、ポップで、軽快という条件を見事に満たしています。
アルバム全体としても、女の子らしい細々とした切ない歌詞を引き立てるようなメロディが多く、ポップでいて、どこかセンチメンタルな雰囲気というのが、アルバム全編に行き渡っています。ジャケもそんなイメージ通りでいいと思います。
懐かしいなぁ
★★★★★
つい最近、この商品が発売されているのを知りました。学生時代、オンボロのアパートに下宿していて、ステレオが無かったのに、この「Midori」のLP盤を買って、ステレオを持っている友達にカセットテープに録音してもらい、カセット・ウォークマンで毎日、ず〜っと聴いていました。「Rose」が出たときからのファンなのですが、当時はミンメイとだぶらせている人が多くて、ライブに行っても、本当の飯島真理を求めているファンが少なくて、悔しい思いをしました。「Midori」を聴くと、学生時代の懐かしい思い出がよみがえります。LPは全部、親に処分されてしまったので、これを買って「MIdori」に浸りたいと思います。LPを買ったときに貰った円形のバッジは今でも私の宝物です。
はじけるA面のポップさ、メロウなB面の秀逸さ
★★★★★
A面(1〜5曲目)は、稀代のメロディ・メーカー、真理さんの面目躍如!
ピュアでスウィートなメロディ、ハーモニー&歌詞をたっぷり堪能できる。
でも、個人的なお気に入りは切なさのギュッと詰まったB面(6曲目〜)。
恋人を亡くした(失くした?)若い女性が、気持ちを立て直していく様を、風船に思いを託して明るく描き上げた「二つの風船」。
真理さんのお気に入りのピエロ人形「まりン」が、マイナー調のメロディの上を一歩一歩グラつきながらも綱を踏みしめながら歩いていくかのような、恋の危うさを綴った「Tight Rope」。土方隆行のギターもカッコイイ。
そのエンディングから伸びてきた音に載って、開放的なサウンドで始まる「恋は気ままに」。すぐに一転してメロウに、そしてサビは明るく、サビの〆は茶目っ気を効かせて。ブリッジ後は、思い切り切ない。このアルバムの頂点と言えるんじゃないだろうか。
後にパートナーとなったステューダー氏が、この曲にノックアウトされたのには頷ける。
ニュー・アルバム『パレット』で満足してしまわないで、このアルバムを持っていない人は是非、購入をお薦めします。