読んで良かったです。
★★★★★
もともとは
『少年少女のための論理学』
として1958年に出版されたものだそうです。
図も多く使われていますし、
記号を使用する際にも
わかりやすく説明してくれているため、
論理学に初めて触れるにはもってこいの入門書です。
「ものの名前」「文の結びつけ」など、
普段生活する上では曖昧な使い方であっても問題は感じないものですが、
この本に書かれているようにキチンとした説明がされているものを目にすると、
ことば1つとっても全く違った印象を持ちます。
小難しいイメージのある論理学ですが、
この本から入って、
徐々に難易度を上げていくと良いと思います。
私自身、苦手意識があったのですが、
少し和らいだ気がします。
少年少女のために書かれたものであったため、
“ひらがな”と“漢字”のバランスが悪く、
読みにくい面もありますが、
内容が良かったため読んでいるうちに気にならなくなりました。
ある程度論理学を学んだことのある人や
頭の良い人には物足りないかもしれませんが、
私にとってはちょうど良い難易度でした。
個人的な評価としては星5つです。
英語の発想を知るにも便利(英語教員としてお薦めします)
★★★★☆
小学生は「みんな●●を持っているよ! 買ってよ」と、ねだります。実際はクラスの数人が持っているにすぎないこともあります。集団を指す場合、英語ではどの程度かをかなりはっきり意識して話しますが、日本語では「みんな」のようにあいまいにしがちです。英語を使いこなし、その発想を分かろうと思ったら、このような論理的なものの見方が不可欠です。この本は子ども向けにやさしく書かれていますが、読み応えがあります。
『名著。そして最上の入門書』
★★★★★
「考える」ことを「考え」だすと、やたらにむつかしい。
小生いろいろと難儀したあげく、数多くあるうちの一つの方法を、本書を起点にご紹介したい。
小生にとって「考える方法」なるものが、いかなる「方法」なのか、大づかみで捉えるステップがなければ、スタート地点さえおぼつかなかった。そしてスタート地点に達したら、次のステップとして「試してみること」が性にあっていた。いわば歩行訓練である。それから、興味の向く方面へとスタートを切った。
現在のところ(しょっちゅうコケるが)首尾上々と、自惚れている。
さて、本書は、慶應義塾大学名誉教授・哲学専門の著者による、すばらしい入門書である。小生の「スタート地点」を与えてくれた書物でもある。
初出は『少年少女のための論理学』というもので、これが再録されている。そのため、ひらがなを多用してやさしく書かれ、また図・絵もふんだんであるが、要点の手抜かりはまったくなく、その上、解説が丁寧だ。もちろん仔細に取り組めば概論書としても充分だろう。
思考を磨く訓練を、学外一般の市井で始めたい方には、絶品の書としてお勧めしたい。
太鼓判である。
そして次に向かったステップに小生がマッチしたものは、『論理トレーニング101題』野矢茂樹著であった。ご参考まで。
就職の役にも立ちますが、それ以上の素晴らしい価値があります
★★★★★
ものを考える基礎(論理)が学べます。いわゆるロジカルシンキングなどよりも、ものごと突詰めて考えさせてくれるので、本当の意味で生きる役に立ちます。いわゆる自分探しにも役に立つでしょう。やさしい言葉で考えるとは日常的な思考能力を養い自分で考えることです。
大きな活字にして中高年の人にも読んでもらえたら、行き詰まった社会を変えるために役に立てられると思います。
やさしい言葉&図解
★★☆☆☆
当初は中学生向けに書かれたものらしい。それゆえに、説明がまわりもってなされる印象をもつ。それはまるで、ある明快な主張をあえて細かく刻み、それをペースト状にしその上に理論をのっけてくる。それがいささか読みすすめるにあたり頭の回転やらテンションやらをあげたりさげたりしなくてはならないので、正直つかれる。
本は薄型でポケットに入れても邪魔にはならない。
だがわかりやすさを第一義にした本の構成ゆえに、テーマごとに最初から読まなければストーリーをくみたてられないのが、とても残念なところだ。