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カンガルー日和 (講談社文庫)

価格: ¥470
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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村上ワールド ★★★★☆
村上春樹といえば長編が持ち味ではありますが、ちょっとした合間にワールドに浸りたい時にはこの短編集はお勧めです。
長編でも短編でも楽しめる、村上春樹の奇妙な面白さ ★★★★★
 穏やかな昼。手元の空間に、空気より軽い液体の入った風船が浮かんでいる。指先でつつくとプヨヨン、プヨヨンと波打ちながら、うふふとでも笑うような、いやいやとくすぐられてよろこんでいるような、ウミウシのような奇妙な動きをしている。
 この短編集を読んでの印象です。題名のつけ方も洒落ていて、シュール、どこかの遠い天体からタイムマシンで運ばれたような面白さがある。
 春樹ワールドのおなじみのカンガルー、あしか、羊男が出てくると、足が地面から離れるようが浮遊感を感じながら、ストリーを楽しめる。
 批評家泣かせといわれながらも、多数の読者を引き込む魔力をふりまく作者の才能を納得させられる。また小説の雰囲気と佐々木マキ氏の絵のかもし出す蒸気が一体となって、いい塩梅になっている。
 大人のための童画といったイメージだ。
やっぱり「100%の女の子」は最高傑作 ★★★★★
村上春樹の短編には、長編とはまた違った趣がある。
短編特有の遊びをふんだんに盛り込みつつ、しかし彼独特の雰囲気は損なわれていない。
この短編の中でのお気に入りは、「ある晴れた日に100%の女の子に出会うこと」。
この話は「昔昔」で始まって、「悲しい話だと思いませんか」で終わる。
私が村上春樹の短編の中で、もっとも好きな短編のひとつだ。
なぜなら彼の小説のテーマは「生死」、「恋愛」がほとんどであり、そのうちの「恋愛」の部分のエッセンスがこの「100%」に濃縮されているからだと思う。
それは傍から見るととても不確かで、しかし自分の感性の中では確信に近い。
でも相手はどうなんだろう、と考え始めると不安で仕方ない。
と書いてしまうとただの普通の恋愛なんだが、本人にとってはかなりドラマティック。
期待、確信、不安、葛藤、落胆。
こんな要素が短い物語の中にうまく詰め込まれ、春樹ワールドを堪能できる。
今まで20年にわたって何度読み返したかわからない(少なくとも10回以上)が、何度読んでもすばらしい。

4月、晴れた朝、原宿の裏通り、花屋の前。
遠くからやってきたのは、僕にとってはまさしく100%の女の子だった。
一般的な美人ではないけれど・・・

他の短編の中には「羊をめぐる冒険」に出てくるいくつかのシーンを見つけることができる。
雪の降る札幌の町、そして羊男。
長編の断片を見るようで、ファンとしてはやっぱり楽しい。
カンガルー日和 ★★★★☆

知り合ったのは中学生...村上春樹を知るきっかけになった本☆

短編集で不思議な世界観にのまれ、はまりました↑なかなか理解までは...
ショート、シュール、リズム ★★★★★
長編小説で村上春樹のファンになった私はこの作品を最初に読んだとき、正直ピンとこなかった。
ここには18のショートストーリーが収められている。250ページあまりで18というのは、物語への欲求を満たしてもららにはちょっと短すぎるように思える。
さらに、ガンガルーやあしかや吸血鬼やかいつぶりなどが登場するストーリーはシュールすぎて理解できなかった。
しかし、最近になって再読し、考えが変わった。欠点が長所になったのだ。
ストーリーはシュールであればある程、面白いと感じた。ここまでシュールな世界観を提示できる彼はやはり並の作家ではない。おそらく「どこまでシュールになれるか」というのが命題の一つだったのではないか。
またショートショートで話をまとめあげる手腕も見事だ。いずれのストーリーも劣らぬ個性を持ち、読み終えた後、あなたの心の中に何がしかの思いを確かに残してくれる。
思えば、彼はパッセージの集積で1冊の本を作り上げ、作家としてデビューしたのだ。ショートストーリーというスタイルは初期の作家の背丈に見合っていたのかもしれない。

読んで理解できもなくても構わない。理解が困難だからこそ、かえって幾通りもの解釈ができる。つまりは好きに読めるということだ。
文章は相変わらずため息が出るほど素晴らしい。流れ、リズム、語彙のチョイス、比喩、会話どれをとっても素人の私には完ぺきなように思える。