けを求めたら鳥にされたり。海へ落ちるところを救われて島になったり。
神々は多く、固有名詞は膨大。どこかから探してきた図でも見ながら読んだ方
が混乱せずに読めるだろう。また、北欧神話のごとく、神々はあくまでも人間
くさい。そして、普通に社会に溶け込んでいるあたりが興味深い。
ナルキッソスがスイセンになった話など、必ずや知っておきたい知識も得るこ
とが可能。
しかし、延々と神話的変身の話が続く・・・あまり、わくわくしてページを
繰る類のものではない。
およそ神話や古典文学、地中海世界、古代ローマ、等々に関心のある人には必見の書たることは言うまでもありません。この本を読まずして何人もギリシア神話を語ることは出来ない作品なのですから。
かつて少年時代に人文書院から邦訳された「転身物語」をむさぼるが如く読んだ日々を、なつかしく思い出す方々も少なくないことでしょう。