テニソンは、その知名度のわりに、普通の本屋で普通に売ってるものは意外と
少なかったのではないだろうか。同じく岩波文庫のイノック・アーデンぐらい
である。
本作は、比較的最近出版されたもので(最近、対訳詩集が続々出ている)、
テニソンの主要な作品がみられるようになっている。『イン・メモリアム』の
一部、Idylls of the Kingの一部、『シャロットの女』など多数を収録。
かれの詩はかなりの量にのぼるので、この本においては、有名な作品であって
もその一部しかみることができなかったりするが、概観するには良い。日本語
も詩的な訳文になっているし、原典がすぐとなりに載っているので、自分なり
の解釈や翻訳を考えることもできるだろう。註とかんたんな伝記・作品紹介も
ついていて、参考書的にも便利な一冊である。