人間を詠った詩人
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ブラウニングと言えば「神は天にましまし この世はすべてこともなし」で知られています。
しかし、これはある詩的劇の一部であることは多くの方は知らないことでしょう。
つまり「神は〜」が登場するのは夫を殺害したその妻と彼女の愛人が
良心の呵責に苦しむ劇なのです。
この「ピパ」の話などのようにブラウニングの詩には
悪漢、悪女など非道徳的な人が登場します。
ブラウニングは彼ら・彼女らを「人間」としてある瞬間の心の動きを
見事に描いていると思いました。
また富士川氏のブラウニング評も彼の人となりが分かりやすく書かれていると思います。