世界的なタンゴ・ダンサーの静子(杉本彩)は、実業家の夫・遠山(野村宏伸)の自分に対する心が遠のいていくことに不安を抱いていた。そんな折、静子に魅せられた政財界の黒幕・田代(石橋蓮司)の意を受け、暴力団組長の森田(遠藤憲一)は遠山を罠にかけて静子を拉致監禁する。そこは、セレブの人間を観客とする異様なSMショーの舞台でもあった…。
『ヌードの夜』『GONIN』などの鬼才・石井隆監督が、団鬼六の同名SM小説に挑戦した意欲的問題作。もはや体当たりという言葉の域を超えた杉本彩の壮絶な演技と肢体が全編を圧倒する。そもそもS的イメージの強い彼女に、あえてM的役柄を強いらせていることで、その倒錯感はいやおうにも増していく。伊藤洋三郎扮するセーラー服を着たショーのピエロ男もおぞましいほど効果的に映える。とにもかくにも善人がひとりも出てこない究極のピカレスク映画。ただし、ヒロインが自分の運命を受け入れてショーが始まってからの描写は、そこに至るまでの精神的テンションの高さに比べると急にトーンダウンしてしまい、ちと肩透かしの感もある。安川午郎のタンゴを基調とした音楽も秀逸。(的田也寸志)
この監督は何を表現したいのだろうか、、、?
★★★☆☆
今世紀最大の話題作!!衝撃シーンの数々!!と豊富な話題で上映された
映画だっただけに期待しましたが、結果はうーん、、、?でした。
他の方々も書いてますが、エロティックというには中途半端だし、
わけのわからないストーリーといい、セレブ達の集まった異様な世界といい、
結局この監督が描きたかったのは「非日常的」とか「狂気」の世界なのでは
ないでしょうか?
私は映画やドラマはストーリー性や演技力を楽しむ人間なので、
(普通誰でもそうだと思いますが)
こういう映像を中心にした映画はあまり好きではありません。
そもそも「花と蛇」というSM文学を映像化するのであれば、エロティシズムを
追求しないというのは、ある意味裏切りだと思うのですが?
そんなのは撮る方の勝手だといわれればそれまでですが、
見る方は当然それを期待してるわけですから。
杉本彩があれほど熱演をしているのに、エロティシズムを感じられないのは、
心理描写がほとんど描かれないまま、ただただ映像が流れてるからではないでしょうか?
放尿シーン、レズシーン、磔のシーン、蝋燭責めのシーン、
そして、全体を流れるストーリー、テーマ、いずれも何とも中途半端で
私は何の魅力も感じませんでした。
こんなことを言うと大変失礼なのですが、この映画がよかったという人は、
本当にそう思いましたか?と疑いたくなるほどです。
杉本彩が熱演してるだけに、気の毒な感じさえします。
奇抜な映像や杉本彩の体当たりの演技は、観るべき価値はそれなりにあるかも
しれませんが、★3というところです。
団鬼六と杉本彩という好素材を監督一人で台無しにしている感じ。願わくば監督を変えて取り直しを……。
★☆☆☆☆
この石井隆って監督評価高いの?とてもそうは思えんのだが……。
団鬼六ってアンチバイオレンス派だと思う。なのに、作者のねちねちした責めは全く見られず安易にバイオレンスに走ってしまい、作品を必要以上にグロくしている。団鬼六の作品っていうのは、官能によってどこまで女を屈服させ、縛り上げていくか、の一点に主題が集約されているのであって、女の目の前でああもバイオレンスを展開するのは作品の趣旨から言って逆効果だ。もちろん女を脅すという目的は認めるものの、バイオレンスで屈服させるのなら、杉本彩を責める理由のほとんどを失ってしまう。
この監督は、官能に徐々におぼれていく女というものが理解できていないのではないか?どうもヤクザ映画かなんかとはき違えているとしか思えない。
ハードなSMシーンから、若干杉本彩が逃げている部分もあるが、それは幾分仕方なかろう。それよりも折角杉本彩が素っ裸になって官能シーン最高潮の見せ場に、女装した男が出てきてぺらぺらしゃべるのはいかがなものだろう。多分この監督は、SMという倒錯した世界が理解できておらず、あれで倒錯した世界を表現したと思っているのでは無いか?
SMは、バイオレンスともヤクザ映画とも違う。愛ある故に虐めたいという倒錯した、極限の愛であり、それを理解できない、または理解しようとしないのであれば、手を出すべき物ではない。
この監督のチープな世界観では、裸を出さなきゃ売れないという事情もあるかもしれないが、同じ裸を出すなら、他の監督の方がもっと綺麗で官能的な映画が作れるはず。
監督は官能という物の意味をもう一度勉強し直すべき。
す、すごい。
★★★★☆
凄い作品だった。
こういう心が抉られるようなヘビーで刺激的な映画が私は見たかった。
ハードなSMの世界、だが真実の愛についても少し触れている。
不感症の人妻、でも縛り上げられ、凌辱され、クライマックスで旦那に会った時の表情、声、反応。
SMプレイは変態という枠に括られるが、人間性の真髄だと思う。
誰しもがサドとマゾの二面性を持ち合わせおり、それを考慮しなければ本当に心身共に満足する行為は出来ない。
官能というよりバイオレンスに近いその内容。
不慣れな人にはキツイ部分もあるだろう。
だが一番の魅力はやはり杉本彩の美しさである。
彼女の体はもはや芸術品の域に達しているのではないだろうか。
女性の私でも惚れ惚れとしれしまう。
この映画に対する彼女の思いは映像特典で見られる。
過酷なまでの撮影を乗り越え、実現したかった思いや反骨精神。
SMに対する考えも私には共感でき、更に彼女のファンになった。
少しでもそういった世界に興味がある人は一見の価値ありだ。
残念だったのは蛇のCGが安っぽい事と、
ボディーガードの女性のレズプレイがいまいちな事かな。
自分を敵に狙わせるような行動をしてるとしか思えない笑
すごい・・
★★★☆☆
すごい世界があるものだ。
SMの世界を勉強したくDVDを見てみたが、絶句するシーンが何度かあった。
ぜひ杉本彩とSMの世界を堪能したい人はお勧めである。
少し気分がわるくなるかもしれないが、人生の幅は広がるのではないだろうか。
相変わらず遠藤憲一は凄みがある。
綺麗な絵です。
★★★☆☆
往年のロマンポルノは撮影技術が古いけれど、女優さんがしっとりと綺麗です。 最近のデジタル技術のおかげで画面が格段に綺麗になりましたが、女優さんがいまいちだと思っていました。 丁度この作品はこの中間地点で、画面も東映の技術で綺麗ですし、あまり古臭い感じはしません。 女優さんもなかなか風情があります。 貴重な一本です。