カウンセリングは素人はやるな！！というのが割と大きなメッセージで、実際のところ読んでみると、カウンセリングがいかに大変で微妙で危険なことであるかわかります。しかしそれにもかかわらず、心理療法家以外の人が読んでも得るところはとても大きいとも思いました。コミュニケーション一般の問題を考える上で、とても大事な、なんていうか、バランス感覚や、聴くことのコツまではわからなくても、聴くことの大切さ（大変さ）を意識する契機になると思います。それってたぶん大事なことで、しっかり聞くことは簡単なことじゃないってわかっていると、きっとうまくいかないことが思ったようにうまくいかなくて、自分に引き寄せていろいろ考えることができて、いいと思います。

河合先生は簡単なことを言っているわけではないですが、事例が豊富で臨場感がありますし、（いつもどおり）文章自体はとてもわかりやすいです。カウンセリング、ひいてはコミュニケーション一般について、とても興味深く読めました。

「ぬえのような」ってタイトルの解説を鷲田清一先生が書いていらっしゃいます。ぬえって・・・