タンゴはひとりじゃ踊れません
★★★★★
セントラルパークの動物園で暮らすペンギンカップル・シロ(♂)とロイ(♂)が子育てをするという、実話に基づくお話です。
淡々とした語り口が、かえって胸に迫ります。特に出会い篇。絵も淡彩で美しく、とにかく押しつけがましいところがないのでオススメ。トリだろうがヒトだろうが、「誰かとカップルにならなければいけない」「カップル成立したらヒナを持つのがあたりまえ」とは断じて思わない派の私ですが、これだけプロットに説得力があれば全然OッKです。人間の住む世界から動物園へ、その中のペンギン舎へと徐々にズームインしてゆく導入部、逆にカメラが引いてゆくクロージングで、世界の連続性を見せているのも巧いですね。寄り添うポーズを見るだけでも、温もりを感じます。