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朝に咲くまでそこにいて (MF文庫ダ・ヴィンチ)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: メディアファクトリー
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夏の暑さとゼリーの冷たさと ★★★★★
朝顔って育ててみると、本当にしぶといツル植物です。
地面からつるを伸ばし、柵や竹やただの棒や、何にでも絡み付き、
天へ天へと伸びていきます。
その花は絹のように柔らかいのに。

この小説の女性はまさにそんな朝顔のような人です。
ふいに落ちてしまったどん底から這い上がろうとする彼女の、静かな恋。
クーラーのない部屋の中で、一緒にゼリーを食べるシーンからは、
夏の切るような暑さと切なさが伝わってきました。

またこんな作品を書いてほしいです。
他人事。でも案外身近 ★★★☆☆
『朝に咲くまでそこにいて』です。
三作収録している短編集で、それぞれの作品には関連は無く独立しています。
三作に共通しているといえるのは、しいていえばですが、誰かを好きになってしまった女の愚かさを描いているという共通点があることでしょうか。
表題作はダ・ヴィンチ文学賞読者賞受賞作品。エンターテインメントというよりは、どちらかというと純文学寄りという感じです。
二作目は、愛する夫がカエルになってしまったという話。どこかコミカルに進みますが、最後にどんでんガエル話。ちょっと、アマチュアネット小説っぽいです。
三作目は、ストレートに恋愛ダメ女の話。

恋愛に溺れて人生を踏み外す女を見て、他人事だ、と思う女性も多いかと思います。
でも、この三作を読むと、ふとしたきっかけで、誰でもがはまりこんでしまう陥穽なのだと思います。
たとえとしては変かもしれませんが、幼い頃は、本当に愛する人と結婚するまでは大事に処女を守り通そうと決意していたのに、ある時ふと、「ああ、守れなかったんだなあ」と思うのに似ているかもしれません。
東京の端っこの瀬戸際 ★★★★☆
著者は東京の北のほうにある普通と転落が直ぐそばに共存している町でこの小説をかいたと,書店のポップで知りました。
表題作の主人公は高収入だが人に言いづらい仕事をしながら地味に暮らす女性です。
もうなにも手にしたくない彼女が手放したくない人を見つけたとき,ひとつどうしても口に出せない秘密を抱えます。
とても達者で切実な転落小説です。

舞台はその著者の町かどうかは本の中では明らかではないですが,道の裏にはまだ「優良ト●コ風呂」なんて看板が残る街並みの中,ふと前を歩く女性が彼女のような気がしてしまいました。