Little Moonlight
価格: ¥1,881
クールで落ち着いた歌を聴かせるコントラルト歌手、ダイアン・リーヴス。そして、チャカ・カーン、アレサ・フランクリン、ノラ・ジョーンズを手がけて高い評価を得ているプロデューサー、アリフ・マディーン。まさしく極上の音楽を生み出すにふさわしい顔合わせだ。若々しくハングリーなリズム・セクション(ドラマーのグレッグ・ハッチンソン、ベーシストのルーベン・ロジャース)とピアニストのピーター・マーティンをバックに得たリーヴスは、正統的なセッティングに身を置くことで、ポップ志向のコンセプトや期待に振り回されることなく、ジャズ・シンガーとしての本来の歌唱力を発揮している。その結果、本作は古典的な感覚に根ざした純粋で誠実なジャズ・アルバムとなった。サラ・ヴォーンとベティ・カーターの最良の部分をかけ合わせたかのようなリーヴスのうまさは、リチャード・ロジャースの「Loads of Love」で明らかだ。コール・ポーターの「I Concentrate on You」では、ブラジル人ギタリストのホメロ・ルバンボがジョー・パス風の味つけを披露。一方、リーヴスが心から歌い上げる「You Go to My Head」では、トランペッターのニコラス・ペイトンが持ち前のメロウなトーンを添えている。(Eugene Holley, Jr., Amazon.com)
愉快で、明るく、心地よい気分になれる。
★★★★☆
曲と、歌と、アルバム全体の構えがいい。
ジャズボーカルアルバムというのは、どうも気持ちが入っていけないことが多い。
ひと言でいってしまうと、どれも同じに聞こえてしまう。
ただ、このアルバムは、プロデューサーの手腕だと思うが、
聴いていて、すごく流れがスムースで、聞こえてくる「音の組み立て方」が見事。
アコースティック・ベースをバックに、笑いが混じるスキャットが続いて、
歌になる。
これはお客(リスナー)もてなすプロローグで、
1曲目が終わって、ほとんど曲間を置かずに
アコースティック・ギターの響きが聞こえてくる。
コール・ポーターの名国「I concentrate on you」になる。
次の曲はアコースティックピアノのイントロに導かれて始まり、
そのままピアノと静かで親密な対話をするようなスローナンバー「リフレクション」。
タイトル曲になっている5曲目は、
ブラシで叩くスネアのリズムだけをバックに歌いだし、
リズムが白熱してボーカルが弾むと、ベースが入ってくる。
ごきげんなナンバー。
ノリノリで「What a little moonlight can do」がフェイドアウトしていくと
一転して柔らかなアコースティックギターの爪弾き。
それだけでダイアンは「Darn that dream」を歌いあげる。
こんな風に、1曲として同じ趣向のものがない。
ダイアンは、ジャズ・ボーカルナンバーを歌うというよりも、
自分の歌を伸び伸びと歌っているようだ。
語尾の発音など、すべてがとても丁寧で、楽しげ。
聴いていてこちらも、愉快で、明るく、心地よい気分になる。
自然なヴォーカルが最高
★★★★★
ダイアン・リーヴスの自然で貫禄のあるヴォーカルが最高。スキャットも健在。
今回のアルバムでは、全体にリラックスして伸び伸びと歌っているが、特に6曲目の”Darn that dream”は、曲の美しさも然ることながら、すばらしい!