古典的ミステリー
★★★☆☆
雪や霧、嵐などの気象条件や事故で閉鎖された空間で、限られた人たちの中に必ず犯人がいて名探偵が巻き込まれるというお決まりのシチュエーション。殺人が起こるものの、すでに白骨化しているために血生臭さを感じないところが秀逸。確かに、探偵がまったく危険にさらされず予定調和的に犯人も捕まるのでマンネリ感も免れないが、ここまでシリーズを確立してしまえばもう読み物としては文句なし。さらなる継続を希望します。
翻訳者を替えて(涙)
★★☆☆☆
ホント、シリーズもののうちの1冊を訳す方は、独自性を出すよりもシリーズの味を大事にして欲しい。
性格が違う、口癖が違う、読んでいてストレスがたまります。
標準作
★★★☆☆
スケルトン探偵ギデオン・オリヴァー・シリーズ第13作。
アメリカ、モンタナ州のキャンプ場で灰色熊が襲来。
その3年後、舞台はイギリスのシリー諸島。妻のジュリーが環境会議に参加するので、そのお供でやってきたオリヴァー。会場の古城付近で発見された人骨の調査を依頼されたことをきっかけに、事件に巻き込まれる。
シリーズ標準作。安定しています。
シリー諸島の警察官コンビが魅力的。
いつものテイストなんだけれど
★★★☆☆
発見された骨から、その遺体がどんな人物でどんな習慣をもってどんな生活をしていた人かまで当ててしまうスケルトン探偵のギデオン・オリヴァーのシリーズ最新作。そのシリーズ第13作にあたります。
今回の舞台は、イギリスの片田舎の島。スターキャッスルという、かつてイギリスでは要塞であり要人の牢獄として名をなした場所となります。
ここに主人公のギデオンは、恋人でパークレンジャーのジュリーとともにやってきます。
いつもは、ギデオンの学会発表にジュリーがついてくるというパターンですが、今回はジュリーが(私的なものとはいえ)環境学会でフェローの一人として研究発表をするという事で彼はその付き添いで島にやって来るのでした。会議自体に興味がもてない彼は、博物館の館長に頼まれて、その島によく流されてくるという遺骨の調査をしてみるのですが、すると驚くべきことに昔の時代の骨と思われたものが実は最近バラバラに切られた(つまりは意図的に破壊された)骨であることが判明。のどかな暇つぶしは、一転して島始まって以来の殺人事件の調査となってしまいます。そして、そうこうするうちに、もう一つの殺人事件が起こり。。。
これ以上はネタばらしになってしまいますが、いつものように骨から事件を解決していくスケルトン探偵の鮮やかなお手並みが見られます。
が、強いて言えば、ちょっとマンネリになってきているかなぁという気がしないでもありません。骨の謎を解いて生前の姿を導きだすのも鮮やかだし、観光案内のような情景描写も丸、色々な登場人物が出てくるのも問題なし、ですが、ちょっとパターン化してきたのと、主人公達があくまで探偵役になりきってしまっていて、主人公達に危険が迫るといったような、或いは一刻もはやく事件が解決しないと被害者がどんどん増えるといったようなスリルやサスペンスな部分が薄いので、ページをくるのももどかしく、といったような切迫感がないのが強いていえば弱いとこと言えるでしょう。
あとは、嵯峨静江さんの訳がちょっとイマイチ、かな。
好きなシリーズだし、あくまで高いレベルの中での気になる点、なんですけれどね。