もう、本当に面白くて楽しめるお話です。ケストナー全集の中で、一番エンターテイメント性が強いんじゃないかなと思います。でも、ただ楽しいだけじゃなくて、ケストナーの他の作品と同様、人生というものをちゃんと教えてくれる(もちろん、説教臭くなんか全然ありません)、素敵な作品です。
「自分はたいしたことができない」というのは、私もいつも悩むことだけれど、じゃあ、たいしたことって何? って聞かれたときに、私も思わずむむむっと唸ってしまいました。自分ができないことを考えるより、できることを考えよう、そう考えたら、心が軽くなりました。