映画史的にはFistの位置付けはそんなに高くないらしい。スタローンがロッキーでの興業成功を引っさげて、社会派の作品に勝負したが、それほどの成功とはならずにロッキー作品に回帰していったというのが定説らしい。

有難いことに私は評論家ではないので、自由に自分の切り口で、観たいように映画を鑑賞することができる。

興味深かったことは、以下の通り。

→1930年代の労働階級の言葉は荒っぽい。結構野蛮な言葉が溢れており、こんなのをそのまま会社で使ったら大変、あなたいつの時代の誰ですかということになってしまう

→労使が真っ向から暴力で対立する時代があった。御用組合か組合がほとんどない組織で働いてきたにもかかわらず、会社はそれなりに従業員に気を使っているなと感じることが多いので、暴力で対峙し、応酬する時代背景に驚いた。

→スタローンのアジテーション演説。今は、特に社内ではアジテーション型の演説を目にすることはないが、これは何らかの時代背景を自分たちが背負っているからかもしれない。スタローンのアジテーション・盛り上げ演説は、演技の枠を超えて迫力があり、リーダー然としていて、見ていてスカッとした

→300万人がトラックの組合に加入していたのだという。全人口の1％以上ではないか？驚異的な人数である。実話をベースにしているのか調査がつかなかったが、労働運動史上で特筆すべき出来事、時代であったのではないだろうか？