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失われた近代建築 I 都市施設編

価格: ¥5,040
カテゴリ: 大型本
ブランド: 講談社
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壊されてしまった建築物ばかりを集めた写真集と藤森照信氏の名解説 ★★★★★
明治・大正・昭和にかけての名建築の写真が掲載されていますので、それを眺めているだけで日本の発展した歩みが彷彿としてきます。高度成長時代に建て替えのため、残念ながら消えていった建築しか掲載していないという本書のコンセプトが日本の現状に一石を投じています。

日本の文化財保護の遅れは今に始まった事ではありませんが、近代建築の保存については遅れをとり、貴重な数多くの歴史遺産ともいうべき建築物が失われました。足元に残るものの大切さを再認識しないと後世に取り返しのつかない失敗を残しそうです。

オフィスビル、金融、官公庁の近代建築を見開き2ページないしは数ページで紹介しています。繰り返しますが、本書に掲載の全ての建物が今はないという現実が胸を締め付けます。三菱第一号館、日本郵船ビル、丸の内ビルヂング「丸ビル」、大阪ビルディング東京分館第一号館「大ビル一号」、三菱銀行本店などの名建築物が、文化財として指定される前に都市開発の中で消えていってしまいました。

オフィスビルや金融のビルの中にはモダンでステキなものが多かったですね。日本の発展と共に歩んできた風格が外観に滲み出ていました。往時の繁栄振りが伺えます。威厳もありますし、質感の温かみが建物全体から受ける優しさを伴っています。風雪に耐え、震災や戦禍もくぐり抜けた歳月がその姿に表れていました。その意味では、増田彰久さんの撮りためた5万枚の写真の貴重さが理解できるでしょう。

藤森照信教授のこれまでの功績は素晴らしいものがありますが、本書の刊行もまた貴重な意味合いを持つと高く評価しています。このような建築物が今後も失われていく可能性がある現状を省みるのに必要な出版だったと感じました。