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超音速漂流 (文春文庫)

価格: ¥820
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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ストーリーは一級、翻訳は? ★★★★☆
 詳しいストーリーは他のレビューワーが書いているとりです。ただ、この本は原著 1979 年を1998 年に改訂したものだそうで、政治背景や航空機のテクノロジーなどが現代の背景にそうようになっています。また、作者の1人がパイロットでなければ書ききれないような、旅客機の操縦や運行システムが次々出てきます。ストーリーは、外部からは陰謀(隠匿)に次ぐ陰謀工作、航空機内には脳損傷を負った手に負えない人たちが300人近くもいて正常な飛行を邪魔するという、手に汗握る一級品です。
 しかし、翻訳が良くないです。改訂版前と同じ訳者の手によるものですが、少々お年を召しておられるようで、言い回しが古くさいのです。せっかく、現代向けに改訂したのだから、現代風の言い回しにするか、いっそのこと思い切って訳者を若い方に変えて欲しかったです。
 ついでにいうと、誤植が数カ所に見受けられました。500 ページ足らずの本にしては多いです。校正もきちんとして欲しかったです。
 ということで、原著は星5つなのでしょうが、日本語にして出版する過程で評価を落として星4つにしました。
ラストが改訂新版とは異なります ★★★★★
(加筆改訂新版)とはラストのクライマックス部分が異なっています。

改訂前だと、主人公は悪玉側に対して知恵を振り絞り、たった一人で立ち向かって絶妙のタイミングで勝利します。

改訂新版では、主人公は「5分前に知り合った」というある人物と共同戦線を取り、悪玉側を罠にはめます。

改訂後では「初対面の人間と、いきなりそんな連係プレーが取れるのか?」という疑問がわき、改訂前の「ごく普通の一般人が、何とか頭を振り絞って巨悪に対したった一人で勝利する」カタルシスが無いのが残念です。
ラストが変更されています。 ★★★☆☆
改訂・改訳前の作品と同じかと思っていたら、ラストのクライマックス部分が変更されていました。

改訂前だと、主人公は悪玉側に対して知恵を振り絞り、たった一人で立ち向かって絶妙のタイミングで勝利します。

改訂新版の本作では、主人公は「5分前に知り合った」というある人物と共同戦線を取り、悪玉側を罠にはめます。

改訂後の本作では「初対面の人間と、いきなりそんな連係プレーが取れるのか?」という疑問がわき、改訂前の「ごく普通の一般人が、何とか頭を振り絞って巨悪に対したった一人で勝利する」カタルシスが無いのが残念です。
映画化不能の超絶的傑作 ★★★★★
トラックの運転手が人をはねてしまった。被害者は命に別状はなさそうだ。だが深刻な後遺症が残りそう。生憎と保険未加入。へたをすると一生面倒見なければならない。逃げても本人にはしっかりと目撃されている。ならば、いっそのこと・・と、おもむろにギアをバックに入れる運転手・・

通常の乗り物の場合、事故が起きたらまず止まる。これ基本中の基本。だけど飛行機は止まれない(止まったら落ちちゃうもん・・)。この緊急性が、この手の飛行パニック物にカタルシスをもたらす最大の要因なのだが、この飛行機の落ちないこと落ちないこと・・土手っ腹に大穴開こうがパイロットがド素人だろうが乗客がゾンビになろうが、落 ち ま せ ん 。

かくて、上記の例え話の運転手の心情へと軍や航空会社の幹部は相成るわけです。

善意の固まりである周囲の人々の協力の下、勇気あるヒーローが深刻な被害を被った巨大旅客機を無事着陸へと導く・・という航空パニック物の王道を180度反転させたある意味一度限りと言ってよい悪魔的傑作。
大方の娯楽小説のプロットが頭に入ってしまい、ありきたりの筋書きでは物足らなくなった読書フリーク垂涎の一冊でもあります。

え?なぜ映画化できないか?

軍や航空会社の協力が得られない上に、航空機事故被害者をゾンビに仕立て上げて遺族の感情を逆撫でしまくる映画にスポンサーつくわけないですよね・・

捻った冷徹な悲劇性が素晴しい! ★★★★★
SFの名作「冷たい方程式」に匹敵する冷徹な悲劇性が素晴しい!
物理法則に逆らう筋力を持たない赤ん坊や子供が最初に死んでいくのが素晴しい!
本来なら救助する者が敵になるのも凄いサスペンス!
しかも敵は複数!
が、敵達の陰謀が相殺して結果として、
主人公に有利になったりと、
捻ったプロットの見事なストーリー展開の傑作である。