素晴らしいけど残念
★★★☆☆
ゴダールやヌーヴェルバーグの魅力はフランス的なグラインドハウスの感覚が個人的にあってピエロまでのゴダールはB級的なのに芸術的な面がたまらなく好きでしたが復帰後のゴダールは真の芸術的作風になってしまいました弦楽四重奏や海に反射する光の描写等やりたい事は分かるのですが初期ゴダールにあったB級テイストが欲しかった芸術的には素晴らしく美しい傑作ですが個人的には残念ですパッションや決別、アワーミュージックまだ未見ですが同じ路線なら現代ゴダールは私は求めていませんゴダールに求めているのはグラインドハウスのゴダール流解釈です軽蔑アルファビル小さな兵隊ピエロは最高ですよって星3つ
音楽が、海が、嫉妬が、拒絶が世の無常を語る
★★★★☆
とやかく言いますまい。ゴダール監督自身が出演していることからもわかるとおり、彼の趣味の映画がこれ。それにしてもこれはこの時期の彼の作品としてはわかりやすい。
犯罪行為に身を染める悪女カルメンに魅了される警官。このふたりの恋と嫉妬と拒絶のさまが音楽を通して海を通して語られるゴダールならではの無常の世界が順調に展開します。
わかりやすさに加えて、ゴダール独自の光の美しさが要所要所で堪能できたので、比較的高得点となりました。カルメンのような女に魅了されるのはわかる。でも、はまるのはごめんこうむりますがね。
イザベル・アジャーニの降板
★★★★☆
カルメンと言うと、魔性の女。イザベル・アジャーニ主演で始まった撮影が、急遽降板!イザベル・アジャーニの演技と魔性の女を見たかった。ただジャン=リュックゴダールは、俳優に芝居を求めず、記号化された独特の動きを求める。イザベル・アジャーニとジャン=リュックゴダールは水と油だ。でも見たかった(笑)それにしてもゴダールの表現はユニークだ!
よきかな
★★★☆☆
今回ハピネット社から再販された盤に関して、確認できた事を書きます。
以前の東北新社盤は以下の3つの点で不満の残る物となっていました。
1)本来85分のはずの収録時間がPALマスター変換により4%早回しされ81分になっている。
2)スタンダード(1:1.37)で撮影されたフィルムの画面比率が16:9に変更されている。
3)不必要と思われる男性性器へのぼかし(修整)処理。
2)に関しては今回本来のスタンダードサイズに訂正されていて、上映時と同じ
画面比率で物語を楽しむ事が出来るように改善されたのは喜ばしい限りです。
3)については日本の法規制の部分で及び腰になる部分は理解できるのですが、性的な
部分を全面に押し出した作品ではなく、無修整でも問題になるような事はないはずです。
1)については以前のものもそうだったのですが、やはり残念な処置。
その旨をパッケージに記載する等の配慮が欲しかったです。
次世代ソフトを発売する際にこの辺りの課題を是非克服してもらいたいものです。
画質は、無理な16:9対応ではないためか、概ね不満のない品質と思われます。
最近の高画質ソフトを見慣れた向きには多少不満な部分もありましょうが、
屋外の撮影部分などに関しては人物、衣装とも自然な色調に好感が持てます。
室内の光量の少ない部分で多少暗部がはっきりしないシーンがいくつかある程度。
この『カルメンという名の女』オペラとしても大変有名な『カルメン』を下敷きに、ときには
それを逸脱するかのように自由に翻案されています。『カルメン』を主題とした物語は
チャップリンやルビッチ等多くの監督によってもさまざまな形で映像化されています。
ゴダール本人も気に入っていたというプレミンジャーの『カルメン』(1954)
あたりと比較してみるのも一興。