エーちゃんにとっての大きな転機
★★★★★
週間少年マガジンで連載中のテニス漫画。
今作はエーちゃんにとってのターニングポイントで溢れていると感じます。
まずSTCカップ優勝。
これまで格上の相手に、粘って粘って勝機を見出してきたエーちゃんが、実力で相手を圧倒し優勝を飾ります。
決勝の相手、寺島隼人もはっきり「強い」というレベル。
肉体改造を経て、エーちゃんのレベルは格段に上がったのです。
そして全国ナンバー1の難波江優との試合。
彼のプレースタイルは、全ての要素を高いレベルで安定させる、いわゆる「オールA」を目指すテニス。
相手のデータを収集・分析し、切る手札を選択していく、変幻自在のプレースタイルです。
作中でも言われていますが、これはエーちゃんのスタイルをさらにハイレベルにしたようなものです。
序盤でデータを取られ、徐々に追い詰められる中、勝つためにはどうすればいいか。レベルが上がり、難波江と曲がりなりにも渡り合えるからこそ、エーちゃんは気付きます。自分にはこれと言える武器がないと。
エーちゃんは考えた末、自らの基本、ボールコントロールに立ち帰ります。
マガジンを読まれている方はご存知と思いますが、この難波江との試合は、今後の展開にとって大きな鍵となっていきます。
で、この基本に立ち返るきっかけを与えたのが、ヒロインである奈津です。
これまでもエーちゃんのよきアドバイザーであった彼女ですが、今回はその位置から、少しだけ進んだ印象です。
エーちゃんと奈津の、高校生らしい微妙な距離感がどう変化していくのかも、これからこの作品の主題になっていくのでしょうね。これはこれで魅力があるかと。
エーちゃんに片思い中の姫子とエーちゃんの親友影山も、案の定接近中ですw こういう所もツボを押さえてますね。
マガジンでは後ろの方に掲載されていて、打ち切られやしないかとハラハラしていますが、これからも長く読み続けたい作品です。