吉原理恵子さんの原点です。
★★★★★
何十年ぶり?かに「影の館」を手にとってしまい、昔こんな小説があるのかー!?と衝撃を受けたことを思い出しました。(なんたって天使同士、神まで絡むJUNEもの!)これを読んですぐに続編(下界編)の「暗闇の封印」も読まずにはいられなくなりました。ミカエルの執着がどこまでも追ってくるすごさ。はじめ登場人物の誰がルシファーかわからなかったり、え?この人でてくるの?そ〜か〜、と納得したり。続編には別の楽しみ方もあったりして。私としては続編も合わせて完結だと思っています。
間の楔ファンにもおすすめ
★★★★☆
ミカエルは「間の楔」に登場するイアソン様の原型ともいえるようなキャラクターだと思いました。ルシファーに対する執拗なまでの愛の執着ぶりは、リキに対する思いにも似ているなぁと感じました。ミカエルの「おまえは私のシャヘル(影)だ」の言葉は「おまえは私のペットだ」というイアソン様の言葉とダブって感じるのは私だけでしょうか(笑)
あとがきでも、作者自ら「某イアソン様の原型はミカエル様だったのかぁ〜」と語っています。「間の楔」ファンの方にもおすすめの作品です。
懐かしく読ませていただきました
★★★★☆
「小説ジュネ」で、昔、読んでいたのですが、、懐かしく、購入しました。
いわゆる、「耽美物」です。
吉原さんの、原点に近い作品じゃないでしょうか。
最近は、こういう、「耽美物」は、ほぼないでしょう。
続編も、読ませて頂きました。
偶には、BLラブじゃない作品も良いのでは?
続きが気になる・・・
★★★★☆
吉原さんの作品ですので、作品・文章の質は確かに高いです。
ただ、本当に「耽美系」ですので、苦手な方は受け入れ難いと思います。
セイントビーストのような作品でも天使物は駄目。というよう方にはオススメできません。
天上界を舞台にした作品なので、耽美的表現に慣れていない身には、見慣れない単語や呼称が乱発し「え?この人ってどのくらい偉いんだっけ?」と焦ってページを戻り戻り…。
初めは少し戸惑いましたが文章は美しく、天界の構図が頭に入ると、すんなり読み進めることができました。
半身のような存在だったミカエルとルシファーの関係が、ある出来事がきっかけに劇的に変わってしまうのですが、登場人物が天使だからでしょうか?
余りに浮世離れしていて、彼らの心の機微が少しわかり難い様な…冷静過ぎると言いましょうか…。
天使ですから、人間らしく!というのは無理なので、ミカエルが強行に走ってしまった気持ち等をもうちょっと納得ができるように二人のエピソード等を書いて欲しかったなぁと。
にしてもルシファーが解らない、聖人受けって言えばいいのか…。
お話もまだ途中で切られてしまったので、最後まで読めればまた評価も変わるかもしれませんが、今は☆4つです。
シナリオ編の方が解りやすいという点では上なので、CDもオススメ。
お話が天界編のみの収録なので続きが気になります!
地上編もできれば販売していただきたいですね。
一番好きな吉原作品です
★★★★★
1983年に小説JUNE掲載、1994年に加筆修正され文庫化(現在は絶版)された「影の館」の愛蔵版。独特な世界観の天上界ファンタジーなので、好き嫌いが分かれる作品だと思いますが、耽美もの・天使ものが好きな方にはたまらない、美しい物語です。天上界の至宝であったルシファーがミカエルの想いと神の溺愛の板挟みになり、死を選ぶことも許されず堕ちていく様は切ない・・・。ミカエルのルシファーに対する愛執は怖いほどに激しさを増していき、「愛に勝る狂気はない」というセリフに頷いてしまいます。残念ながら続編は収録されていないので、続きが気になるところで終わっていますが、下界編はまた違った雰囲気なので、天上界編だけで一冊の美しい本(装丁も耽美です)にまとめられたことは、ファンにとっては嬉しい贈り物です。