ホークウインドの最高傑作!シンフォニックなコンセプトアルバム。
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邦題「絶対絶命」。1975年発表のホークウインドの最高傑作と言っていいくらいの、素晴らしい内容の作品です。ちなみに、私が始めて買ったホークスの作品でした。
先ずはバンド史上最強とも言える、参加メンバーを紹介しますと、
・デイブ・ブロック:ギター、シンセサイザー、ヴォーカル、このバンドの独裁的なリーダー、彼のかき鳴らすシンプルかつメタリックなブギウギ調のリズム・ギターは、バンドの基本フォーマットと言える。ギター・ソロがほとんど印象に残らない。そういえば、彼は、ノイの1枚目のライナーを書いていたが、その「影響」を本作でも披露している。
・ニック・ターナー:サックス、フルート、ヴォーカル、バンド名の由来は彼のあだ名。
バンドの精神的支柱とも言える存在。過剰にエコーをきかせたサックス、フルートを曲展開に関係なく、自在に吹きまくる。ある意味、バンド・サウンドのアクセントになっている。
・レミー:ベース、ご存知「モーター・ヘッド」の創始者にして、メタル・ゴッドの一人。この作品の後のツアー中にコカインの不法所持で逮捕(誤認らしい)されるも、バンドを解雇される・・・。前任のデイブ・アンダーソン(元アモンデュール2)の作り上げたバンド・サウンドの骨格をさらにヘヴィでメロディックに、曲調をもっともっと加速させた張本人。
・サイモン・ハウス:メロトロン、ムーグ、ヴァイオリン、ピアノ、いわずと知れた英国プログレ界の重要人物。伝説のサード・イヤー・バンド、ハイタイドへの参加は有名。本作でも、彼の奏でる、炸裂する、狂おうしいばかりに美しいメロトロン、叙情的なヴァイオリンが最大限フューチュアされている。この作品の成功は彼の参加なしには、あり得なかったと思います。
・サイモン・キング:ドラム
・アラン・パウエル:ドラム、当初、骨折したサイモン・キングのヘルプ扱いだったらしいが、正式メンバー入り、ツインドラム編成となる。
・マイケル・ムアコック:ヴォーカル、有名なSF小説家。本作の、コンセプト・メーカー。
彼らの他のアルバムとは違って、スペース・オペラとしてのコンセプトが前面で出た作品です。しかし、彼らの根っからのサイケバンドとしての、「ユルイ」作風を殺さずに、しかもメリハリの効いたドラマチックな構成にまとめ上げられているのは、奇跡的なことだと思います。このあたりの様式美的要素が、一般のプログレ・ファンにもアピール出来たポイントじゃないでしょうか。
本作は、初心者の方にもおすすめです。