CDを再生してまず驚くのはその音質の低さです。別のCDを再生した直後にこれを再生
しますと、突然目の前の空間が狭くなったかのような感覚を覚えます。その音質は薄っ
ぺらで、ときにギラついています。デジタルリマスタリングで無理をしました〜という
ような音ですね。
　マスタは「薄っぺらで混濁気味」の録音だったそうです。なるほど、あえてそう書か
ざるを得ないほどに酷いマスタからおこしたのであれば、この音質でも殊勲賞ものでし
ょう。
　音が悪いといっても奥行きがない訳でもなく、音も混濁はしていません。きちんとそ
れぞれの楽器を聞き分けられますのでご安心を。リマスタリングでここまで聞こえるよ
うにするには、相当の努力が必要だったのでしょうね。
　そんなわけで、音質重視の方には、このCDは断じてお薦めできません。聞くにあたっ
てはＡＭラジオを聞いているものと覚悟された方がよろしいでしょう。

　とはいえ、演奏は素晴らしいものです。たいへんメリハリが利いていてきれがよく、
それでいて軽い訳ではありません。変なところを強調しすぎたり、むやみに音を引っ
張ったりすることもなく、素直に上品に、大変心地よい演奏でした。
　音質さえ気にしなければ夢中になれる演奏だと思います。いえ、音質を結構気にす
る私でも、充分夢中にさせてもらいました。

　クラシックを毎日聞いてはいても蘊蓄にはとことん疎い私には、この指揮者とオー
ケストラの価値を書物の引用でどうこう語る事はできませんが、２０世紀の演奏史に
大きな足跡を残した、という評価は充分に納得できると思います。
　これほどの演奏をこんな録音しかできなかったのか・・・と思うと、ちょっとへこ
みますけどね。いやはや、なんと惜しい事か。

ミンナが誉めるから買ったけど、エロイカ第一楽章で躓いた。
アナクロすぎるアーティキュレーションが一々付いてて気になって聴けんぞ！
これっていいか？
オレはもういい・・・やっぱフルベンに限る。

カラヤンのベートーベン交響曲も良いですが、やはりこのトスカニーニとトスカニーニのために結成されたＮＢＣ交響楽団によるベートーベンは最高です！疾走するような演奏！かつキレがあり味わい深い響き！！また古い録音であるが音質も大変良いです☆☆☆　交響曲第3番”英雄”は必聴です。