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感じる脳 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: ダイヤモンド社
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なぜスピノザ萌なのか? ★★☆☆☆
 ダマシオさんはなんだかスピノザに萌えてらっしゃるようで、スピノザの伝記部分がむちゃむちゃ多い。本論の傍証として役立っていない。自分をスピノザと同一化しているんだろうか?まあ、本論にしても繰り返しが多いので、ページ数を稼ぐため、か、もともとシツコイ性格の方なのかもしれません。

 心身二元論を痛烈に批判しているのだけど、最後はよくわからない生気論にいっちゃってる。すべてを身体上・解剖学上の基盤にに還元・分析できるわけではありませんよ、というエクスキューズなのだろうか?僕もスピノザと同じように言い訳してるのですよ、といいたいのだろうか。

 情動の中枢を探る脳科学の概論だけ取り出せば知識が増えるという意味で面白い。しかし、そっから生気論だったり、社会学や心理学に越境したりというふるまいはあまりに無邪気で、「うん、それで?」としか言いようがない。

 形而上的問題に対する反発と憧れとが入り混じった、青臭さが鼻につく。
 こんな水準の内容でありがたがってもらえるわけだから、脳科学者というのはボロい商売だ。
フランフラン25年の歴史 ★★★★☆
商品在庫管理について述べられた章は小売業の最前線〜売り場で働いている方であれば、より興味深く読み込める内容。
感情の仕組みと役割と扱い方 ★★★★★
徹底した心身一元論と生理学的・身体論的な視点に基づいた、「情動」と「感情」に関する論考。豊富な臨床経験と実証データから導き出されるストーリーは控えめながら大胆な上に、非常に説得力があります。ホメオスタシスの維持という生物としての原初的・本質的な振る舞いそのものが「情動」であり、それを知覚してより効率的に機能させようとする働きかけが「感情」である、という定義は特に明快です。

人間をはじめとする有機体がどのようにしてこうした機構を獲得していったのか、こうした機構は人間社会の維持と発展にとってどのような意義があるのか、という進化心理学的な論考だけでも十分読み応えがありますが、話題はそこから個人の内面に及び、哲学者スピノザの唱えた汎神論とも対比されながら、幸福と倫理観をもたらす「内なる神」を秘めるための方略にまで議論が進んでいきます。

原著が難解なのか翻訳が悪いのか、一読しただけでは議論の輪郭をなぞるだけで精一杯ですが、自身の内面を省察しながら少しずつ理解していきたい、そんな気にさせてくれる一冊です。強いて不満を挙げるとすれば、「情動」や「感情」と絡めて頻出する「思考」や「意識」などといった他の心的概念が、「情動」と「感情」ほどには明確に定義されていないことでしょうか。

最後に蛇足。心理学の古典的な問いかけに「人間は悲しいから泣くのか、それとも泣くから悲しいのか」というものがありますが、ダマシオの主張をもとに答えるならば、こういう回答になるのかもしれません。「泣くということはあなたの命が脅かされているということであり、そういう身体の状態やそのときの状況を感じることが悲しむことだ。つまり泣くから悲しいのではあるが、そうした状況でなかったとしても、感情移入などでそういう身体状態を作り出すことはできる。だが、どうせ作り出すのなら楽しい感情を作ろうではないか。楽しいから笑うのだ。笑うからもっと楽しくなれるのだ。」
スピノザ哲学を現代脳科学から評価する ★★★★☆
 感情というものが身体の感知したものを意識に伝える重要な機構であること、それを17世紀に既にスピノザは評価していたこと。この本は脳科学と哲学をつなごうとする本である。
 現代の科学で感情の意味を説明することとスピノザを現代的に捉えなおすこと。この本は大きな課題を二つも入れているためか、正直、読みやすい本ではなかった。読みやすい本ではないのだが、科学が哲学にどう対処していくのか、を考える一助になると思う。

 読みにくい原因は章の構成にもあるかもしれない。スピノザに関する著者の旅行記のような文章から始まったかと思うと、脳科学での研究のかなり専門的な章があり、一章全部を使ってスピノザの生涯を記す章がある。スピノザの話がしたいのか、感情を解き明かす脳科学の成果の紹介がしたいのか?英語の原題は"Looking for Spinoza"でFeeling Brainは副題に入っているが、邦題は”感じる脳”であり、スピノザは副題に回っている。どちらが主眼なのか、でとまどってしまうのだ。
 読みにくいもう一つの理由はおそらく言葉の使い方である。あたらしい概念を導入するときには必ずこういうことがおきるのかもしれないが、感情、情動といった単語の、著者の定義をきちんと踏まえないと混乱してしまいそうになる。著者の優秀さの現われなのだろう、凡人にはついていくのが辛いほどの飛躍やスピードが文章にあるのでさらに大変。専門の話の文章の途中に突然スピノザが飛び込んできたりもする。第5章「心を形成するもの」をとりあえず読んでみるのがよいのかもしれない。この章が著者の意見を要約したような章になっている。

 著者に振り回された気分で読み終わったが、それでも脳神経科学者が哲学的な問題に今どう取り組んでいるのかについて、少しは理解が進んだ気がする。スピノザについても、スピノザが何を言いたかったのか現代的な捉え方を紹介してくれた。「エチカ」をいきなり読んだりすると、神の絶対性と数学的証明の堅さについ近寄りがたく感じるのだが、コナトゥスという言葉で表現されていたものを生命体の自己保存機能と解釈すれば大変現代の生物学に通ずるものが見えてくる。スピノザの言葉も引用してあるので対比しやすい。スピノザは、フロイトやアインシュタインなど多くの研究者が言及をしてきた哲学者である。今後もまたいろいろな評価が重ねられていきそうである。

 著者はスピノザの着眼点には敬意を表しているが、倫理的な「生き方の行動指針」としては必ずしも同意見ではないようである。このあたり、各読者も自分の意見と照らし合わせて読んでみて欲しい。
 
冗長的 ★★★☆☆
S-R(刺激ー反応)モデルで脳の構造と感情の動きを説明しようとしている。いわゆる伝統的心理学および脳生理学の考え方だ。しかし、学習性無力感などのうつ病は社会性による部分が多分にあり、このS-Rモデルでは説明できない。
もっとも、この本の対象読者は科学好きな一般人であるから、S-Rモデルでかつ身体とのリンクという当たり前の分析でもいいのだろう。
それにしても、あまりにも冗長性がありすぎて、一般人でも却って分かりにくくなってしまうのではないかと思われる。