入門書としては、ハードルが高い
★★★☆☆
著者は、日本ファシリテーション協会会長である。
まずは定義から。
ファシリテーションを一言でいえば、「集団による知的
相互作用を促進する働き」のことです。(P21)
もう少し具体的にいえば、「中立な立場で、チームのプ
ロセスを管理し、チームワークを引き出し、そのチーム
の成果が最大となるように支援する」(※)のがファシ
リテーションです。(P22)
※『ファシリテーター型リーダの時代』からの引用
次に効果と必要なスキルが提示されていく..
よくまとまっている。ファシリテーションを極めていく人には手元にあ
ると便利だろう。私自身、ファシリテーションの実践者のはしくれとし
て、参考になることは多かった。
ただ入門書としては、ハードルが高いように思う。初心者がこの本を読
んで、ファシリテーションをしてみようと思うのかは少々疑問。本の題
名は「ファシリテーションハンドブック」の方が良かったのでは?
支援型リーダーという、あたらしいリーダーシップの形
★★★★☆
読書会などの一般社会人の勉強サークルの中でファシリテーターをすることがあるので、読んでみました。
支援型リーダーという、あたらしいリーダーシップの形が紹介されています。
そういえば、「彼がいると場が和むけど、彼自身は直接生産性が高いわけではない」という人は、これまでは人事評価面では冷遇される傾向にあったのではないかと思いますが、こういった観点から見ることによって、やっと正当に評価してあげることができるようになるのかな?と思いました。
本書に載っていた実践的な内容を自分でも試してみようと思います。
黒子的な役割が好きな人におすすめ
★★★★☆
どんな会議や打ち合わせでも問題であり不毛なのは、
誰が仕切って、誰が話を前に進めて、決定権を誰がもつのかが不明な場合であり、
また、ただのすでに内々で決定事項となっていることの追認だけの場合である。
ファシリテーションはこうした会議や打ち合わせにおける、
中立的な立場として、場のセッティングと議事進行に特化した役割であり、
実は表に立ちたくない黒子的な役割が好きな控え目な性格にうってつけである。
ポイントは、議長は黙って会議を聞き、最終的な判断だけ行うこと、
あくまで議論は中立的な立場のファシリテータのさばきによることである。
これだけでも徹底すれば、多くの不毛な時間とストレスは軽減されるだろう。
ファシリテーションがなぜ必要なのか、ファシリテーションは何を生み出すのかを知ることができる
★★★★★
ファシリテーションとは、「集団による知的相互作用を促進する働き」p.21である。「人を管理するのではなく、人と人との関係性を舵取りしていく方法を「場のマネジメント」と呼び・・それを促進するための実践的なスキルがファシリテーションなのp.27」だ。「現在では組織を巡る環境が複雑さをまし、変化のスピードが加速度的に上がってきてp.18」いる。「組織をとりまく環境がp.27・・・変化が絶え間なく起こるときは、ファシリテーションが適しているp.28」ファシリテーションは「成果に達するまでの時間を短縮p.30」する。「メンバーの相乗効果(シナジー)が発揮できる。P.32」「メンバーの自律性を育み、個人を活性化するp.33」」ファシリテーションの基本スキルは「場のデザイン-場をつくり、つなげるp.51」(「場をデザインする5つの要素p.60」は目的p.61、目標p.61,規範p.62、プロセスp.63、メンバーp.65)「対人関係のスキル-受けとめ、引き出すp.53」(「コミュニケーションの中で最も重要なのが・・・「傾聴」p.90」)「構造化のスキル-かみ合わせ、整理するp.53」(「話の前提となる知識、根拠(理由)、主張したい結論の三つp.123」が「論理の三点セットp.123」)「合意形成のスキル-まとめて、分かちあうp.54」ファシリテーションがなぜ必要なのか、ファシリテーションは何を生み出すのかといった根本的な点からと説き起こし、その基本的なスキルの概略的な説明までしてくれる。体験学習、地域コミュニティづくり、ビジネス分野の支援型リーダーといった異分野融合スキルの格好の入門書。
ファシリテーションを知りたい時、人に伝えたい時のテキストに最適
★★★★★
2004年に刊行された本です。
当時から比べると、「ファシリテーション」はかなり市民権を得てきたようです。
手ごろな入門書もだいぶ増えてきましたが、この本ではファシリテーションの必要性や、
応用範囲、方法論など、非常にコンパクトでわかりやすく、体系的に網羅,説明されており、
今読んでも参考になることばかりです。
ファシリテーションに興味を持った人が最初に手に取る、あるいは誰かにその魅力を伝える際の
定番のテキストになるのではないでしょうか。
お勧めです。