聞きこめば聞きこむほど、素晴らしい演奏。彼の弾くショパンは、人生の陰影をあますことなく表現しているよう。メロディーに感情を込めすぎて甘くせずに、適度な客観性を持ちながらも、しかし同時にその切なさを繊細に、かつ正確に弾き切るそのテクニックには脱帽です。最高のショパンのバラードです。今年はショパン誕生200年で、同じレパートリーを彼はヨーロッパのコンサートで弾きますが、人間的な成長とともに、彼がどのようにショパンを解釈するのか、楽しみにしています。

全てにおいて、非の打ち所のない演奏である。特別この曲が良いというのはないが、全て完成度が高くお奨めできる。バラード、舟歌、スケルツォ4番。難曲ばかりで聴き応えあり!!

この中で一番優れているのはスケルツォ第4番。
ショパンのスケルツォの中では一番地味な曲だが、
早めのテンポですっきりとしかし無味乾燥にならず
説得力のある演奏に仕上がっている。
逆にイマイチなのが子守歌。
子守歌だからって何も弱々しく弾くことはないだろうに。

バラードと舟歌はそれなり良い部分と気に食わない部分が半々といったところ。
でも表現は正攻法で真っ当なので、
ツィメルマンのような不快極まりない演奏とは一線を画している。

まあ今後に期待ということで星4つ。

このころのキーシンはほんとにすごかった。そしてショパンが素晴らしい。ブラームスのパガニーニ変奏曲で持っているすごい技巧を示し、このバラードでものすごい表現力を示した。1音1音を大切に意味あるものとして鳴らし、パッセージもなんなくこなし、ドラマチックに仕上がっている。個性も出ていてそれまでのオーソドックスなキーシンより大好き。併録の3曲もかなりいい。とまぁ内容がかなりよかったのとジャケ写が好きなんで★5つ。キーシン好きになってまだ浅い人やショパン好きもルービンシュタインばっか聴かないでキーシンも絶対聴いてみて!!

キーシンは6歳のときからショパンのバラードを弾いているようです。
つまりこの曲はキーシンのレパートリーの中でももっとも
完成度が高く緻密な計算がされているとっても過言でもありません。
是非ともきいてもらいたい作品です。

バラードをこれから学習される方はツィマーマンと併用することを推薦いたします。