感謝!感謝!
★★★★★
この作品を評価するに当たって、どんな言葉もあてはまらないことに気付いた。
人類はシェイクスピアを形容する言葉を持っていない
そんな生意気なことを言ってみたくなる気持ちです。
自分が凡人であることを教えてくれる。余計なプライドをすべて削ぎ落としてくれた。
ただただ天才に憧れ、挫折し、それでも生きていく。
シェイクスピアをおもうとき、なぜか人生が素晴らしく思える。
その理由を、いつか知ることが出来るだろうか?
いや知らなくともかまわない。
ただの凡人なのだから。
ただ、ハムレットを演じてみたいとは思う。
自分の命を賭けて取り組むことになるでしょう。
そういう視点でハムレットのセリフを読んだとき、一瞬にしてくじけてしまいます。
本気になって自分を捨てなければ、ハムレットには近づけません。
これは他の登場人物の場合でも同じこと。
理屈が通じるレベルではない世界です。
日本語版正統ハムレット。
★★★★☆
かなり上手な訳だと思います。
シェイクスピアの著作に当たっている中で、小田島さんの訳に触れられたことは幸運でした。
多少駄洒落風言葉遊びが嫌でしたが、全体としては及第点。
日本語版ハムレットの正統と位置づけていいのではないでしょうか?
読みやすい!!
★★★★★
To be, or not to be, that is the question,のセリフがあまりにも
有名な『ハムレット』。この有名な独白の原文の難しさ、また「四大
悲劇」というジャンル分けから、何となく堅苦しい印象があり敬遠して
きた。
しかし、英文科の学生としてたとえ翻訳ですらハムレットを知らないの
はまずいだろう、ということでトライしてみた。
すると、シェイクスピアとしては比較的分厚いにも関わらず、今まで
読んだどの作品よりもすいすい読めたのである。
復讐悲劇であるこの話は、先王の亡霊が息子の王子ハムレットに、
「弟である今の王が自分を殺し、妃までも奪ったのが真実であり、復讐
をしろ」ということを伝えに現れ、、ハムレットがいろいろと考える
うちに、王もハムレットを危険と感じ陰謀をめぐらせ始める・・・
というもので、メインキャラが次々と死ぬ筋立ては確かに悲劇である。
しかし、作品で際立つのはその悲劇性よりも、陰謀が絡み合うサスペンス
性、そして何よりも素晴らしい台詞の数々である。
引用の典拠とされることも多い作品だから、どこかで聞いたセリフもあろう。
どの人物も、詩的で、哲学的、思索に富む深い言葉を言ってくれている。
「うまいことを言うなあ」「いいことを言っているな」と思わせる言葉
が次から次へと繰り出され、非常に読み応えのあるすぐれた作品だ。
訳も非常に読みやすい。
読みやすい作品
★★★★☆
ハムレットには訳本もたくさん出て、演劇などでも取り上げられているので、話を知っている人は多いと思いますが、この作品は面白い訳の仕方だと思います。読者の興味をひくように面白みのある言葉を使って書いているので非常に読みやすいです。
原文でよんでも、登場人物の台詞は非常に興味深いものが多いですが、日本語だけでよんでも、ハムレットの作品の素晴らしさが十分に伝わってくる文章の書き方だと思います。この作品なら、英文学と難しく考える事もなく、楽しんで誰でもが読めると思うので、ハムレットの訳本を選ぶならこの本が絶対に楽しくてお勧めです。
おもしろかった
★★★★★
私は数あるハムレットの中でも、この小田島雄志翻訳のハムレットが一番好きです。シェイクスピアの巧みな言葉遣いが、非常にうまく表現されていて、おもしろかったです。シェイクスピアというと堅苦しいイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、この作品は年月の流れを感じさせないくらい、今読んでも楽しめる内容です。古さをほとんど感じさせません。ハムレットが自己の生きる世界について悩む姿や、ポローニアスの教訓は、現代にも通用するものばかりです。あっという間に読みきってしまいました。