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幻の声―髪結い伊三次捕物余話 (文春文庫)

価格: ¥530
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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珠玉の短編集 ★★★★☆
日本橋の呉服問屋成田屋の娘がかどわかされた。下手人を捕らえてほっとしたのもつかの間、
翌月になり下手人は自分だと女が名乗り出てきた。深川で芸者をしている駒吉という女だった。
彼女はなぜ下手人の男をかばおうとするのか?そこには秘められた悲しい過去があった・・・。
表題作「幻の声」を含む5編を収録。髪結い伊三次捕物余話シリーズ1.

「短編集はばらつきがあり、全ての話がいいというわけにはいかない。」
ずっとそう思ってきたが、この作品を読んでその考えが見事に覆されてしまった。どの話もすごく
いいのである。ひとつひとつキラキラと輝いている。「幻の声」に登場する芸者駒吉の心情には、
ほろりとさせられた。「暁の雲」に登場する塩魚問屋のおかみを襲った不幸の結末には、胸を痛めた。
「赤い闇」では、同心不破の妻いなみの壮絶な過去や、隣に住む村雨家の悲劇に、つらいものを覚えた。
「備後表」にはたっぷり泣かされた。そして、「星降る夜」では、さまざまな人たちの心の葛藤に、
読みながら一緒に悩んだり、悲しんだりし、さらに感動も味わった。起伏に富んだストーリー展開は、
この作品を味わい深いものにしている。登場人物もかなり魅力的だ。伊三次と文吉はこれからどうなる
のか?この先がとても楽しみなシリーズだ。
繊細な女性版捕物帖? ★★★★☆
繊細な女性版捕物帖とでも形容できるだろうか。
込み入った推理も、派手な立ち回りも劇中出てこないが
(しかも主人公は岡っ引きのそのまた子分の下っ引き・・・)
代わりに小粒なりの人情話が詰まっている。

時代考証的にこの口調が正しいのか良くわからないが
歯切れの良い台詞(特に女性の)は読んでいて心地良い。
私は ★★★☆☆
他の方ほど高評価では無かったです。
面白く無いわけじゃないんですけど、1冊を通して起伏が少ないので
読んでてワクワク感や、早く続きが!みたいなのに少し欠けました。
捕物っていう側面は薄くて、
人との関わりや、恋愛模様がメインなのかな。
なので、そういうのが好きな人にはいいかなって思うのですが、物足りなさを感じました。
なんだか、個々の登場人物のキャラクターをイメージしずらかったです。
設定はちゃんとしっかりあってそれは魅力的ではあるんですが、
頭にその人像が浮かばなかったというか。

凄く読みやすいなぁとは思ったのですが、
続きを買うかは、保留中です。
女性にオススメの捕物帳 ★★★★★
全部で5つの話から成る短編集。主人公・髪結いの伊三次を中心とした様々な江戸の人間模様が、繊細な筆致で繰り広げられています。話ごとに中心となる人物が違う所もとても楽しめました。
この本でオール読み物新人賞を獲得してデビューした著者、次回作にも期待大です。
恐るべきデビュー作♪ ★★★★★
人情を絡めた捕物帖は結構多いが、特に主人公の伊三次の周りを固めるお文と不破のキャ
ラ設定が最高! 

特に、この作品においては上記2人が主役を張ってる話もあって却ってその話の方が興味深いエピソード満載で面白く読めます。

会話も、他の捕物帖に比べて江戸っ子らしいキップのいいセリフが次々と出てきて心地よい事この上なし。

もちろん、伊三次とお文との恋愛模様も2人の会話を聞いてるだけでハラハラドキドキ。特に女性が読まれたら、尻に惹かれてるきらいのある伊三次が可愛く感じる方もいらっしゃる筈。
今後の展開が見逃せません。

特に感じたのは、各話に出てくる犯人が決して悪人として読者に受け入れられない点が非常に印象深いです。そこに宇江佐さんの優しさが滲み出ていて、誡?者が惹き付けられる一番の魅力じゃないかなあと思ってます。

どちらかといえば、捕物帖というより市井物として読まれた方が合ってるんじゃないかなあとは思います。いや、両方楽しめるといった方が適切でしょうか・・・・