この本、というよりクリシュナムルティの本すべてがすばらしいと思う。
本の中にもあるが、事実という言葉は事実ではない。この本に書いてあるすばらしい言葉もただの言葉である。
この本はただのきっかけに過ぎずこの本に真理を求めることは決してできないと思う。
大切なのはこのきっかけをどのように受け取るか、ただそれだけだと思う。
しかしこの本を静かな誰にも邪魔されないところで意欲的に読むなら、ほぼすべての人がこの本のすばらしさ、自分という存在を見つめることができるように思います。
ただそれだけです。

クリシュナムルティの側近とも言え、Kの唯一の伝記三部作を書き上げた、メアリー・ルティエンスの渾身の編集だけあって素晴らしい内容です。
どう読んでも僕のような一般の脳には難解であるKの講話の最良の部分を抜粋し解り易くまとめてます。
僕はまだKに出会い１年強です。しかし出会いの衝撃が大きく、２０冊弱のKの著書を読みました。繰り返し読んでます。
だいぶ理解が深まりつつあると思います。その中でも特にお薦めの一冊です。
特筆すべきは訳者のKへの理解の深さでしょう。
既成概念を否定した革命的とも言えるKの思想は、ただ英語に堪能なだけでは訳し切れません。
Kは言葉には何の重きも置きません。同じ言葉を肯定的に使ったり否定的に使ったりもします。
「定義なんて無意味」と言ってるそのままの現象が講話中にも現れます。
それらを解り易く、時折、原語のままでも載せておいてくれるので、訳語とともにKの使っている言葉も判るようにしてくれてます。
時折出てくる訳者解説も的確。理解の助けになります。
感謝！今後も素晴らしい翻訳をお願いします！

クリシュナムルティの有名な著作の翻訳です。
講話の内容が、非常に良くまとまっていて読みやすく、とても心に響く著作であると思います。クリシュナムルティの思想、示したことにはじめて触れるのに大変最適であると思います。
翻訳はまだ途中段階のようで、英語の単語のままになっているところが、あちらこちらに見受けられます。英語での表現が日本語になりきれないで残しているのが、特徴的です。
クリシュナムルティの本の翻訳は一見、簡単なように見えて、その実、きわめて困難なところがあります。真意を読むために、できれば原書Freedom from the knownをあわせて読むこととお勧めします。

クリシュナムルティの圧倒的なパワーで語りかけてきます。彼の純粋な、透明な知性のきわみから読む人の心にダイレクトにメッセージを、問いかけをしています。すばらしいです。

大野先生は一ヶ月のやっつけ仕事で本書の翻訳をされたと本のあとがきにありましたが、ビジネス効率ばかり優先するのはどうかとも感じました。本を出すなどの社会生活にはチームワークが必要です。最近サッカーも日本に浸透し組織プレーが重視されるようになりました。個が確立しながら協力するという姿勢も重要ではないかとおもいます。出版関連でも同じことがいえるのではないでしょうか。大野先生にはもっとがんばってもらいたいです。