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すべての美しい馬 (ハヤカワepi文庫)

価格: ¥1,113
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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「青春」を鮮烈に謳いあげた、<国境三部作>の第1作 ★★★★★
現代アメリカ文学の巨匠コーマック・マッカーシーの<国境三部作(ボーダー・トリロジー)>の第1作。’92年の全米図書賞と全米批評家協会賞をダブル受賞している。また、マット・デイモン、ペネロペ・クルス共演により映画化もされている。

時は1949年、16才の少年ジョン・グレイディ・コールは、祖父が死んで牧場が人手に渡るのをきっかけに、新しい人生を選び取るため、親友ロリンズと共に、愛馬でメキシコに越境した。途中で年下の少年プレヴィンスを道連れに加え、辿りついたメキシコの大牧場で働き始めるのだった。そこでの仕事は順調で、彼は美しい牧場主の娘アレハンドラと恋におちる。

だが、彼を待ち受けていたのは予期せぬ運命だった。プレヴィンスが騎馬警官を撃ち殺し、その共犯としてロリンズともども逮捕され、カステラル刑務所に収監されてしまう。そこで、ナイフを使った命がけの争いが起こる。くだんの牧場主の大叔母の尽力でふたりは自由の身になるのだが、彼女からアレハンドラとは二度と会うなといわれるジョン。

例によって、会話に引用符をつけず、心理・内面描写の無い、カンマを極力省略した息の長い文章というマッカーシー特有のスタイル。加えて南部方言やスペイン語をとりいれた地方色あふれるダイアローグからは、会話が地の文と一体化して少年ジョンの至高の恋と失恋、また苛烈な暴力が読者の胸をえぐる。

本書は、広大な西部を舞台にジョンの青春を鮮やかに謳いあげた、アメリカ青春小説の傑作である。
野生馬の描写が素晴らしい ★★★★☆
94年に翻訳された本で、かなり古いが、去年、『ザ・ロード』を読んで、読んでみたいとずっと思っていた。
翻訳もなかなか読みやすく、しかも馬の描写、特に、最初の方に出てくる野生馬の調教のところの描写すばらしい。
内容的にも、青春小説、恋愛小説、暴力小説の要素が混在しているが、さらには、メキシコの政治も絡み、非常に深いものになっている。
表面的には読みやすいけど、その深さがマッカーシーということなのかな。
他の著書も読もう。    
単純な青春小説ではない ★★★★☆
映画「ノー・カントリー」で作者のことを知り、いたく興味を持って、本書も読んだ。
「青春小説」、などという通り一遍の評価があったが、そこは期待したとおりの作者のレベルの高さ。そんな単純なタイトルでは括れないおもしろさがあった。
展開も、ある意味意表をついている。
小説「ノー・カントリー」との共通点は、“拘り”ということだろう。このワードは、これからの時代においても、多分に重要となるはずだ。
世間がなんと言おうと、「わが道を往く」という価値観を創造することなくして、日本も日本人も生き残る必要はない。
ところで、なぜ「すべての美しい馬」なのだろうか、と考えてみた。きっとそれは、「馬」という、自然や人間に従順に生きることのすばらしさを訴えつつ、もがきながら、あるいは拘りながら生きていく人間の性(さが)のすばらしさを逆説的に対比させているのだろうか。
青春、それはアメリカ。 ★★★★☆
まず幻想的な風景描写が素晴らしい。そして重要な作品に必要不可欠な濃密さがある。この物語は人間の成長、自由の探求、友情、恋愛、冒険、宗教倫理など、前時代的で語り尽くされてきた、いかにもな文学の王道、本質的なテーマが根幹を成している。そのようなものを現代において描くのは、単にこのようなテーマが普遍的なものだからというだけではない。作者の圧倒的な筆力と表現力が否が応でも書かせてしまうのだ。マッカーシーは、時代に名を残した文豪たちと同じ土俵で渡り合うことができる稀有な現代作家であろう。現代では手に取りにくいような不朽の名作などの代替として、本作を読んでみてはどうだろうか。
この文体は凄い ★★★★★
読むとメキシコに行きたくなります。情景描写がすごく豊かに書かれていて、少しメルヴィルを感じさせる。独特のダイアローグも印象に残った。始めの方はとにかく読みづらいけど、どんどん物語に引き込まれていく。読後の余韻もひときわでした。 しかしよく翻訳できたなあ、これ。