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無名仮名人名簿 (文春文庫 (277‐3))

価格: ¥530
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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著者のファンならば必読です。 ★★★☆☆
私は「父の詫び状」の方が好きです。随所から、独身でいることが寂しいのではないかと伺い知れました。「向田邦子の恋文」を網羅した後だとしっくり来ます。日常で、著者が出会う人々のことが記されています。自分の身の回りにもこんな人がいる…と共感するところもありました。著者と同じ猫好きな点もあり、頷ける箇所が多かったです。
えらぶったとこのない文章 ★★★★★
向田邦子の文章は偉ぶったところも、衒学的なところもない
ほんとにごくありきたりのことばで綴られている。
だけどその視線や語り口はやはり非凡で、「あたりまえ」に
ほんのすこし違った色合いを添えてくれる。
こういうのを芸というんだろうとおもった。これみよがしで
はないのだ。彼女自身は「小物」といっているが、なんでも
ない塩むすびの米の炊き上げ方や塩梅に、細心の気を配るよ
うなこだわりを感じさせる。
人の心が判ることと、それを表現することは違うのかな。 ★★★★★
 例えばオフィスの洗面所で、鏡に向かって艶やかな黒髪をブラッシングする女性がいます。他にこれといってぱっとしない彼女の自慢は長い髪。なぜかドアが開いたままなので通りかかった人は嫌でもその姿に見惚れます。こんな時、向田さんは、「あの扉は絶対壊れてなんていなかった」と断定します。
 阿修羅の如く、阿吽、父の詫び状…、私は向田さんの作品を敬愛してやみませんが、このエッセイ集は向田作品の源泉の一つを教えてくれてとても興味深いです。
 言うまでも無く、人の心はいつも清らかではありません。下心も弱さもずるさもあるでしょう。観察して判ってしまうということは、これを見抜いてしまうことである意味残酷です。判ったうえで知らないふりをしている人は多いでしょう。でも向田さんはそれをエッセイ(ノンフィクション?)にしてしまった。題材にされたほとんどの人は一瞬ドキッとしますが好感をもって受け入れることができると思います。でも、冒頭の女性はどう感じたのか、私にはちょっと疑問なところもあります。「それは言わない約束でしょ」という声が聞こえてきそうです。
小説より奇なり。 ★★★★★
このエッセイは、向田さんの小説でも見受けられる鋭い観察眼で描かれています。その鋭さが、他人は元よりご自分にまでしっかり向けられ、冷静に自分を判断されているところが、すごいところだと思います。1つ1つテーマ毎に、よくこんなにエピソードがあるなぁと感心してしまいます。まるでお笑いのネタじゃないの?と思うような話もありますが、そこは「事実は小説より奇なり」と言う言葉そのままに、タイトル通り有名人から無名の人まで、人って面白いなぁと思わせるエピソード満載のエッセイになっています。時折出てくる飼い猫のエッセイが好きです。ちょっと辛口な言いっぷりにもユーモアがあります。しかし普通だったら見落としてしまうような部分をきっちりと捉えられている点、ちょっと怖いです。
人々を細かく観察した身近なエッセイ ★★★★☆
向田邦子の人々を観察する観賞眼には驚かされた。こんなに面白くて人々をよく観察しているエッセイは初めて読んだ。人生こんなに身近なところにいろいろ楽しいことがいっぱいあるのだなとあらためて思った。