わたしこれ好きだなぁ…
★★★★☆
『阿蘭陀カステラジャパネスカ』
これは本巻に読みきりとして収録されているものだけれど、わたしは中村春菊先生の作品のなかで一番好きです。
日本の幕末を舞台に繰り広げられる異国情緒漂う物語。
オランダ貿易船で日本に寄港した異国人「シンジュ」と藩主の切ない恋物語。
まず設定がおもしろい。いままでにない掛け合わせですね!
おまけに中村春菊先生の作品はどれも間のとり方が抜群にうまいけれど、とくにこの漫画は演出のうまさが際立ってみえました。
風景が、キャラクターの表情が、仕草が、沈黙が、言葉で示されない主人公の切ない心情を読者に伝えてくれるんですよ。
ある価値観が崩壊したときの心の葛藤という中村先生の根本にあるテーマが見事に表現されている作品だなぁと思いました。
どこか物悲しい作風の作者さんにしてはめずらしく、ほのぼのとした読後感もとてもいい。不覚にもわたしは泣かされてしまった。
本編のほうでたくさんの謎が残ってしまったのが残念だったので、全体としては★4つにしましたが、短編のおススメ度は★5つ!
興味のある方はお手にとってみてくださいね。
時代物としての作品
★★★★☆
同時収録の「阿蘭陀カステラジャパネスカ」は別として、「月は闇夜に隠るが如く」本編はBLとしてではなく普通の時代物として読むとかなり面白いかと思います。剣客信乃が少年テツに心を開いていく様子は読んでいて和みます。「あんころもち」の話で少しホロっとさせてくれました。BL度が少ないという事で星を一つ減らしましたが、BL好きでなくてもその感じはしないのでオススメです。
まあまあ かな。
★★★☆☆
「純情ロマンチカ」などで有名な中村春菊さんの本です。
収録されている作品が殆ど1999年に描かれた物で、絵も古いようなので、「純情~」などの絵を思い浮かべて買うとちょっと期待はずれという感じです。
話もそのものずばりという感じではないです。
あっという間に読めてしまうし、一度読んだらもういいかなと思いました。
買って損は無いかもしれませんが得もあまりありません。
中村春菊さんの昔の絵が見たい方にはオススメです。