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ラカンはこう読め!

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 紀伊國屋書店
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ジジェクの本としては楽しめるかもしれないが… ★★☆☆☆
イマイチです!

『斜めから見る』であれほど素晴らしい分析を見せたジジェクが「ラカン入門書」と銘打って出した本があるとのことで、喜び勇んで買ったら少々馬鹿を見ました。論理が飛ぶのはジジェクの特徴なのですが、その特徴が入門書としては全く悪いように作用しています。コロスやラメラ、象徴的去勢などの本論から脱線し、平気でまた戻ってくるのは入門書として購入した読者を混乱させるだけでしょう。そもそも入門書というならせめて「盗まれた手紙のセミネール」辺りから丁寧に説明すべきであり、ジジェクの本としては楽しめるかもしれないが、ラカン入門としてはとてもお薦めできない本です。
How to read LACAN through Zizek. ★★★★★
本書はイギリスのグランタ社という出版社から出ている「How to read」
シリーズの中の精神分析家ジャック・ラカン編の邦訳。ラカン編を担当
したのはもちろん、当代きってのラカン派スラヴォイ・ジジェクだ。という
よりか、本書を手にした読者の多くは「ジジェクの本」として読むのだろ
うか。訳者は多くのジジェク本を訳してきた鈴木晶で読みやすい。

ラカンが自らの思想を「フロイトの注釈」と表現したように、ジジェクの思
想も、大きくは近代以降の西洋思想・哲学の影響を受けながらも、今の
ところはそんな「ラカンの注釈」に当てられているといって過言ではない。

ジジェクに熱烈な読者がつく一方、一部の人に敬遠されるがちなのは、
その叙述のスタンスにこそ原因があるのだろう。おそらくジジェク初読者
が最初に驚くのは、「ジジェク節」とさえいえる映画をはじめとする大衆文
化およびアクチュアルな政治動向に例をもとめる彼の叙述のスタイルに
違いない。本書でもキューブリックの遺作『アイズ・ワイド・シャット』や、
『エイリアン』などのが援用される。日本版に寄せられた本書序文では、
なんと黒沢明『羅生門』まで登場する。

そのため、ラカンを体系的に学びたい、と考える読者は最初戸惑うかも知
れない。もちろん<大文字の他者>や<超自我><対象a>といった精
神分析のキータームは頻発するものの、著者の筆致は縦横無尽に話を
逸らしていく。実はその話の逸れた先にこそ、意外な真理が挿入されて
いるのだが…。

本文は、原理主義についての考察で幕を閉じる。宗教の原理主義と科
学は、現代において奇妙なことに結びついている。お互い、「経験的な
知」 を取り扱う領域だからだ。著者はそれらを信仰と一線をかし、現代
にお いて「信仰」が危機に瀕しているととく。社会も人も、何もかもが不
明瞭な 時代だからこそ、その無根拠な何ものかを信じる「信仰」こそが、
今遂行が求められている倫理的課題なのかも知れない。
ラカンもジジェクも難しい! ★★★★☆
 ジジェクによるラカン入門。と銘打ってはいるが、ヒッチコックの作品をラカンを援用して解題したようなジジェクの他の著作に比べて、この本が入門だと感じるのは原題が「How to read LACAN?」だということと、比較的ページ数が少ないからだろう。ラカンの普及は、浅田彰『構造と力』を契機にしている。無論、すでに仏語のできる精神分析部隊は翻訳し紹介していた。だが、若干26歳の京大院生の浅田がキャッチーにクラインの壺を説明し、ラカンの際立った思想家としての重要性を指摘したから、多くの人文・社会科学部隊が読むようになった気もする。相変わらず、多くのパラドックスを含む複雑な文章である。すでにジジェクによるラカン読解は、ジジェクの思想と言って良い段階にある。ともあれ、例えば「投函された手紙は必ず届く」とかいう有名なテーゼ1つとっても、私には自信をもって人に講釈たれる自信はない。しかし「だが」と付け加えたい。ジジェクにせよラカンにせよ、これだけフォロワーがいてクリヤカットな理解がなされてないんだから、飲み屋で一杯やりながら話すのには極めて魅力的な存在にちがいないだろう、と。しかも精神分析系は臨床における治療者と被治療者との関係性から生み出されてることになっているので、とっつきやすいといえば言える。この本は思想系の知識がある相手と、ただ単に飲み屋でネタのためだけに、長々と読解に時間をかけられる人向けなんです。なんて感じで自分の読解力を慰めざるをえない(泣笑)。それでも悔しいことに、この手の本は抜群に面白い。
入門書としては失敗 ★★★☆☆
ラカン理論の入門書としては失敗だろう。だから、星2つにしようかと思ったけど、ジジェクが書いているので―その仕事量に敬意を表して―星3つにした。ラカンの入門書としては、ブルースフィンクの邦訳『ラカン派精神分析入門』の方が比較にならないほど優れている。そもそも、目と眼差しの分離について、ちゃんと説明できているとは思えない。欲動理論の観点からちゃんと説明すべきだろう。ラカンの『セミネール』をたくさん読めば、それが『エクリ』の理解にも資するというようなあとがきが書いてあるが(不正確だったら謝る)、セミネールをいくら沢山読んだところでラカン理論が分かるわけがない。そんなに簡単ではない。まず、ブルースフィンクの著作から入り、次に、『Reading Seminar I and U』や『Reading Seminar XT』、『Reading Seminar XX』といった本に掲載された論考(英語だが)を読むのが近道。勉強の仕方を間違えてはいけない。
良くも悪くもいつものジジェク ★★★★☆
いつも通り、いきなり飛び出すラカンの用語、ウィットに富んだジョーク。
面白いんだけど、専門用語を解説なしに使っちゃう辺り、思想の入門書としては不親切だ。
それでも読ませる内容であるのはさすがジジェクだが、
それは例え話なんかの巧さへの讃辞にはなりえても、ラカン入門としての讃辞にはならない。

まあ、ラカンについてちょっとくらい知識のある人には、読んで損はないと思う。