『CURE』で現代ホラー映画の旗手となった黒澤清監督が、満を持して演出した大胆かつ実験的魅力に満ちた作品で、ある種、集大成的な色合いも感じられる。パソコンが死者の世界にアクセスしているという設定からして秀逸だが、それ以上に、いわゆる人間の恨みなどとは別次元に存在する、リアルな恐怖そのものに真っ向から取り組んだ姿勢に喝さいを贈りたい。(的田也寸志)