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脱「世界同時不況」―オバマは金融危機を克服できるか (岩波ブックレット)

価格: ¥567
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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失われる10年。 ★★★★☆
アメリカは「失われた10年」に突入しているんでしょうか。
金融機関は失った資産を正確に見積もっていないとしたら、
公的資金を注入しても意味がなくなる。
広く支持を得ようとしているオバマの支持率が下がってきた。
調整に追われ、自分の色が出せないから、でしょう。

てか、日本の「失われた10年」って終わったんですかね。
産業は硬直化していて、未だに重化学工業がメイン。
政治も結局は小沢っていう元自民党の人間が動かしてるし。
変化は進行中、続編を期待 ★★★★☆
世界的に株価が上向きになってきた今日この頃、「脱世界同時不況」ということで、出口戦略が語られているのかと思い本書を手にしましたが、内容は2009年5月までの、主にアメリカの金融対策と、いわゆるグリーンニューディールをまとめたものでした。

サマーズ、ガイトナーを中心にどのような金融対策をとり、それがどのような意味を持つかという部分は掘り下げた内容になっています。

このように米国の場合は、良くも悪くも誰が何をやっているのかが見えます。振り返って日本、筆者は公的部門(政府レベル)の役割の重要性を説いていますが、政府レベルで誰が何をやっているのかがはっきりしません。

変化は進行中、続編を期待したいところです。
とてもリーズナブルでとても内容が濃い経済金融専門書です。 ★★★★★
とてもリーズナブルで内容がとても濃い小冊子です。但し、その中身は普通の俗に言うビジネス経済書のハードカバー書籍の数倍の充実度といって間違いないと思いますよ。金子勝というと私の周りでは、非常に先読みの経済動向に暗い(硬い)イメージのある経済学者ですが、私から言うととても堅実で基本に忠実な方と思っています。何より自分の持論にブレが無い発言の数々は信用がおける方と思います。日本国内の住専問題以降、失われた10年、そしてつい最近まで金融機関の不良債権問題には、「頑なに銀行内の査察、検査、そして経営者の経営責任を問え」との持論は現代のアメリカ合衆国内の金融問題でも全く同じ展開、少々前に行ったオバマ政権のストレステストに関しては、某有名新聞社の論説委員は絶大な評価を与えておりましたが、査察が甘いと一刀両断、逆にオバマが指名したサマーズ、ガイトナーといった重要金融責任者の抜擢に関しても、やはり影で大銀行家の暗躍としたきな臭さを指摘する辺りは、ある意味欧米の金融史から見ると非常に説得力がある。危機感を感じているようで感じていない国内の政治家の大先生達にも本書を満遍なく読んでほしい。但し、グリーンニューディール政策を唱えたオバマ大統領であるが、先の米国内の金融機関の問題の大渦に飲み込まれそうな状況、そそて米国以上に金融麻痺がひどそうな欧州の金融機関の今後を考えると、我国も早く国内経済、内需拡大の政策をもっともっと真剣に考えないといけない。ここ2ヶ月以内には行われるであろう総選挙、神風のような疾風が吹くことを期待したいのであるが、低レベルの政治家さん達の立ち振る舞いに本当に嫌気がさしていますよ。
オバマの悲劇が始まっている? ★★★★★
 オバマは新政権で三つのチェンジをやりたかった。
今の金融危機を克服し、新しい国際的な金融規制を決めること、
グリーン・ニューディール政策により産業と雇用を創出すること、そして
インターネットによる「討議民主主義」により新しい政治的リーダーシップを確立すること。 
「二兎を追うものは一兎をも得ず」だが、オバマは三兎を追ってしまったので、結局どれもこれも今のところ中途半端になってしまっている。

 サブプライム・スリーっていわれている3悪人、ロバート・ルービン、アラン・グリーンスパン、そしてラリー・サマーズ。彼らが今回の金融不況の元凶という事になっている(らしい)。このルービンの人脈チェーンからサマーズを国家経済会議議長に、ガイトナーを財務長官に起用してしまった事からオバマはウオール街の思惑に完全に飲み込まれてしまった。
どうしてオバマはこんなにも同じ人材しか選べなかったのかという事はいろんな人がいろんなところで言っているのに・・・・・。

 それではグリーン・ニューディールはどうだろうか。こちらのほうは、2009年5月21日になって、ようやく地球温暖化対策法案が下院を通過したという事で何とかいけそうか・・・・・。
 そして、医療改革を支持基盤の焦点としている討議民主主義はどこへ・・・・・。

 以上のように2009年5月までのオバマの近況がよくわかるように記述しているが、これ以降の彼の経済政策はURLを示しているのでそれぞれのウェブサイトでフォローしましょうということか。毎日のように変化があるのだから。