おなじみ渡辺等(b)、佐野康夫(ds)、そして三沢またろう(per)とのスタジオ・セッションを重要視した結果が、こういったアルバムを生んだのだろう。表情豊かなリズム・セッションと、車谷浩司自身のポップ・センスが手を取り合いながら、1音1音の重みと行間で喜怒哀楽を饒舌に語りかけてくる。さらには、政治意識の高い車谷だけに、アメリカ同時多発テロからの影響も散見できる。

AIRを初めて聴く人にはこのアルバムを貸しています。
このアルバムにはAIRの良いところが凝縮されていると思います。
極上のメロディで緩やかに歌われる｢Last Dance｣がやはりハイライトだと思います。
もはや説明不要とも思われる名曲｢Last Dance｣収録のこのアルバムですが、
AIRらしいギターが心地よい｢My Favorite Things｣や、
ベースラインが実はかっこいい｢Funk Core｣など佳曲も多く、
アルバムとしてのトータリティも素晴らしいです。
ここまで聴き応えのあるあるアルバムも珍しいです。

特に｢泡沫の虹｣から｢Last Dance｣の流れは感涙ものです。

音楽性の高さや趣味性の高さで勝負するソロミュージシャン。１）からキザイヤジョーンズを思わせるアレンジ。２）ではキンクリのデシプリンを臭わせるアレンジ。２）などもろにキザイアジョーンズプラスラップ。後半からのアレンジはレイジ。７）はフェイクジャズ（ソーホワットがモチーフか）。８）はレッチリ。９）はグレッグレイクみたい。ボーカルはもっさりとしており、やや聞き取りにくい。もうすこしハードボイルドな音世界だったならすごい好きなんだけれど、残念、平均作品にしか聞こえませんでした。（６点）

聞くたび聴くたびいろいろな音楽を描いてきたAIR。ジャンルを超えていろいろ聴いてきた人なんであろう。彼の声と彼のサウンドが今度はどんなふうに結びつくのかと期待する。そして聴いてはうなる。こういったことを何度繰り返したのだろう。そしてこれからも繰り返すに違いない。

アルバムを通して一つにまとまっているカンジがします。
今までのラウドな曲ももちろんいいけど、LAST DANCEのようなやわらかい曲でもAIRの声は心地よくて大好きです。

個人的にはGood To See Youと泡沫の虹がオススメ！ゆったりとしたあたたかいカンジが素敵です。