その時代、その街の人々の感情や時代の空気が伝わってくる。著者が一冊の本を手にとって、丹念に活字を追いながら、自らの人生をも振り返っている様子がみえてくるようだ。
本の読み方を教えてあげるというのではない。著者が感じとったことに触れているうちに、豊かな気持ちになれる本。時間と根気があれば紹介された本をすべて読んでみたいと思うのだが、著者は、あわてずにゆっくりと時間をかけて、自分が本当に好きになる本をみつけなさい、そして味わいなさいといってくれているような気がする。
雑誌などに寄稿された書評。
須賀さんが私たちに残してくれた地図が
まだまだたくさんあることに気がついた。
それは、本巡る静かな冒険に出るための地図。