まったく別の物語
★★★★★
雑誌掲載分を叩き台に、まったく別物に仕上げてきた!びっくりした。
これはかわい先生ファンは必見でしょう。
なんつー巧緻な。
つい編集目線で感歎してしまったりして。
三角関係は三角関係でも、矢印の向きを変えてきた!
読み進むうちも、あまりに巧妙に描かれていたので、最初気づきませんでした。
こんな場面あったっけ?あれ?こんな設定あったっけ?あれ?あれ?あれれ?
そして書き下ろしの後半部分になると、あまりの伝奇風味にこれまたびっくり。
先生、楽しみすぎです・・・(苦笑)
いつも三人でいた青春の日々、想いをこらえる日々と一人を弾き出してしまった切なさ、BLの娯楽性と、叙情的な文学性との融合。
二人きりずつの思い出があまりに美しくて。赤という色を知らない彼に桜色の貝殻を渡すシーンに至っては波音が聞こえ、目の前に海岸線の情景が広がって圧倒されました。
いい小説でした。
これだけ読んでも十分面白いと思います。