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人でなしの恋 (リンクスロマンス)

価格: ¥898
カテゴリ: 単行本
ブランド: 幻冬舎コミックス
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凄い! ★★★★★
BLとは、ライトノベルの1形態であるはずで、私はそれで良いと思っている。
だけどこれは、一体どんな文学なのか。
昭和初期。高校、大学、社会人と、親友でありつづけた三人の、静かで深い、ピュアな三角関係。
心理描写のリアリティ。
男同士の友情は、きっとこんなだろうと思わされる。
時代の空気。
前半の純文学風から後半のオカルティズム。
様々な要素を一つに織り込んでゆく匙加減の妙。
品がありながらも漂う艶。
凄い。
かわい有美子にしか書けない。
前半は雑誌掲載のものを書き直しているらしく、訂正前の物も読みたいと思ったのは、もう少しこの空気に触れていたいからだった。
まったく別の物語 ★★★★★
雑誌掲載分を叩き台に、まったく別物に仕上げてきた!びっくりした。
これはかわい先生ファンは必見でしょう。
なんつー巧緻な。
つい編集目線で感歎してしまったりして。

三角関係は三角関係でも、矢印の向きを変えてきた!

読み進むうちも、あまりに巧妙に描かれていたので、最初気づきませんでした。
こんな場面あったっけ?あれ?こんな設定あったっけ?あれ?あれ?あれれ?
そして書き下ろしの後半部分になると、あまりの伝奇風味にこれまたびっくり。
先生、楽しみすぎです・・・(苦笑)

いつも三人でいた青春の日々、想いをこらえる日々と一人を弾き出してしまった切なさ、BLの娯楽性と、叙情的な文学性との融合。
二人きりずつの思い出があまりに美しくて。赤という色を知らない彼に桜色の貝殻を渡すシーンに至っては波音が聞こえ、目の前に海岸線の情景が広がって圧倒されました。
いい小説でした。
これだけ読んでも十分面白いと思います。