学力問題を簡明に
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理科離れ・学力低下といった問題が、マスコミで喧伝されて久しい。
お役所もそれを受けて、「ゆとり教育」から「学力強化」へと急速に方針転換してしまった。
そういう状況を考えると、「またか」という気持ちになってしまう。
戦後の日本の教育方針は、その時々の問題に合わせてフラフラしてきた。
もういい加減にそういうことはやめて、「教育再生」ではなく「教育改革」をしたらどうだろう。本書の著者は40年以上前から、科学教育の改革に取り組んできた。
だから、最近の学力騒動に対する視点も実にすっきりしている。
悪く言えば単純明快だが、日本にはまれな科学教育の専門家の発言だけに、研究成果に裏付けられた確信に満ちたものである。