傑作!__キセルははじめて聴くけど
★★★★★
最近こればかり聴いている。
気合の入っていないキリンジな声を、脱力感たっぷりな人を喰ったようなアレンジで聞かせる。
曲によっては、今頃完全フォークも無いだろ!みたいな。
詩も、なんか本気なんだろうか、という感じな曲も。
でも、気合入っているんだよな。
よく分かるよ。
緊張感は無い。
だけれど、音の数を絞って、間に語らせる、という意味では、ゆらゆら帝国「空洞です」やフィッシュマンズの後期作品群に匹敵する。
えらく、印象は違うけどね。
傑作です。
MM誌でゼロ年代の日本の名盤特集をしていたけれど、10年後に、10年代をやったら、必ず入るべき作品。
すばらしい。
午後の微睡み
★★★★★
いつものような モコモコ感は希薄だけど ありきたりでない良質なPOP MUSIC足り得てると思います。今回は薄暮の妖しさではなく 午後の微睡み。キセルという揺りかごに揺られながら気持ち良さに微睡んでしまう感じ。
キセルの大ファンだけど・・・
★★★★☆
キセルのアルバムは全部持っているくらいのファンです。
やってることは『夢』(2001年)や『近未来』(2002年)からさほど変わってませんが、『近未来』にあった「ベガ」、「ギンヤンマ」、「近未来」といった核となる曲が物足りない気がします。『窓に地球 (CCCD)』(2004年)にはそういう曲がいくつもあったし、『magic hour』(2008年)にも「ビューティフルデイ」という名曲がありました。
それに、かつてあった異様で不思議な空気感が薄れている気がします。夕暮れの薄暗い雰囲気が好きだったのに。それでも彼らしか作れない曲を書くし、流行りのJ-POPよりははるかに魅力的ですけどね。
今のところ「うぶごえ」、「夜の名前」が気に入っています。ただかつてのインパクトに欠けるという意味で★一つ減らしました。
かつての「苦み」は薄れ、口当たりのよくなったキセル
★★★★☆
「近未来」「窓に地球」のころの熱心なファンです。
久しぶりにキセルを聞きましたが、昔に比べて歌い方が自然になってますね。
あの独特の高音を残しつつ、誰にでも聴きやすい声になってます。
アルバム全体の印象としては
「豊かな音楽」
です。
何かに喰らいつくでもなく、守りに入るわけでもない。
心豊かな兄弟から皆様に送る風。夏の夕暮れにそっと部屋に吹き込んだ風。「凪」というタイトルがぴったりだと思います。
ただ、「近未来」の異様なまでの暖かさと怖さと中毒性。「窓に地球」の完成度。
あのような作品を作ったキセルの最新作としては物足りないと思ったのも事実。
聴く者を拒まないあたたかな新作ですが、ここが本当に到達点、最高傑作だったらぼくは悲しい。
曲別では「星のない夜に」が一番好きです。こういうちょっとユーモラスな歌詞に毎回にやりとしてしまう。
国宝級の名盤
★★★★★
キセルがあるひとつの到達点を迎えたことが一耳瞭然な素晴らしい作品。
まずはここまで貫き通してきたキセルのお二人に拍手。
愛を持ってその純度を決して濁らせてしまうことなく改めて彼らを世の中に送り出したカクバリさんの人間に拍手。
そしていつも心のどこかに『凪』を持ち、豊かな音楽を探し続けた結果やっぱりキセルに還ってきてしまった僕たちに拍手。
これは長い時間をかけて
みんなでつくりあげた
正真正銘キセルの最高傑作だ。