インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

フロイト先生のウソ (文春文庫)

価格: ¥740
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
Amazon.co.jpで確認
心理学に対しての、極、刺激的な挑発 ★★★★☆
心理学の大親分フロイト( これは私の表現。こういう表現も不快に感ずる人がいるかもしれない)を代表として俎上にあげ、
心理学の常識(筆者に言わせれば心理学の嘘)を一刀両断にする。
その文章には心理学を学ぶ者なら頭に血が上るであろう過激な表現が並ぶ。

「フロイトはマルクスよりも多大な損害を人類に与えた」
「心理学は最も重要な学問であり、道慈に最もどうでもいい学問である」
この意味は、おれはどうしてこんな人間になったんだと考える上では重要な学問だが、
こういった重要な問題には為す術もなく立ち尽くしているからどうでもいいというのである。
著者は、精神分析だけでなく認知行動療法や、系統的脱感作法と言った療法にも疑問を呈し
「心理学の歴史は、いっときもてはやされては、やがて説明力不足露呈して忘れ去られる理論の連続」と切り捨てる。

「心理療法の信憑性は、ダウジングの水脈探しと同程度である」
「あらゆる心理療法の母、フロイトの精神分析でさえ現代までしぶとく生き残っている」

あまりに過激なので、どちらかというと、心理学には批判的な立場の私もびっくりしてしまうが、
次のような批判はなるほどと納得する。
「幼児期のトラウマはその人を一生傷つける」
(そんなことはない。嫌な思い出がその人を成長させた実例を人はたくさん知っている筈だ)
「親の教育態度が子供の人格を決定する」
(鳶が鷹を生み、スラムから天才が登場する)
「子供の時虐待を受けると。子供を虐待するようになる」
(虐待がよくないのは誰でも知っているが、そういう統計をきちんととったのか)
「親に愛されなかった女性は良い母親になれない」
(実に怖い理論である)

ところで、一刀両断には危うさも付きまとう。「極端は嘘」と言うのが僕の考えであるが、
この書でも。教育心理学や、社会心理学の成果まで全否定するところにはついていけない。
もっとも、教育心理学や社会心理学から、心理学を取って、教育学、社会学にすればもっと信憑性がます。と、意地悪なことも思う、

なお、この書にきちんと反論することは心理学者の務めでもある。と、私は思う。
誤解されてきた「心理学」という学問。正統派からの反撃の一つ ★★★★☆
 私はかつて「心理学は科学じゃない!そもそも心理学ってあたるんですか?」という凄い非難を目撃したことがある。

 かように心理学という学問は、根本的なレベルで誤解されてきた歴史を持つ。
 
 日本の場合は、海外と比較すれば、精神分析などの臨床よりも、通俗心理学の方が影響が強いという違いはあるにせよ、社会心理学や認知心理学などの本流は「心理学」という言葉の誤解によって、評判を貶められてきた歴史がある。

 そのような背景のもと、20世紀中後半からは、正統派心理学の陣営から、フロイト叩きや、さまざまな弊害をもたらしていた精神分析との決別が広く喧伝され、誤解されてきた状況は改善されてきた。

 本書は、そういった状況において、さらなる追い打ちとして、心理学界隈に巣食う怪しい主張を広い範囲からとりあげ、すでに撃破されている、ということを紹介する、ガイドブック的な立場として読むのが妥当に思う。

 もっとも、本書の優れた点は、そういった文脈ぬきに考えても、いまだに信じている人の多い「脳は10%しか使っていない」等のヨタ話も、誤りを指摘していくため、、読み物としてもそれなりに面白い。

 個人的には、ちょっと言い過ぎに感じる個所もあるけれど、それらを一蹴できるほど、情報価値もあり、読み物としても面白いため、おすすめできる一冊として評価する。
嘘をついているのはフロイト先生だけじゃない。 ★★★★★
精神分析に対する否定的な意見とその根拠が載っています。
精神的に病みかけている人に対しては、復帰の鍵になるかもしれません。

疑う(自分の頭で考える)ことの大切さを知れた気がします。
ただ、どうやって疑う根拠(自分の頭で考えたこと)の正当さを調べればいいのかはまだわかりません。
非科学的思考と非科学的思考の不協和音にニヤリ ★★★★★
 大変楽しい本でした。著者の特性か、訳者の特性かはわかりませんが、非科学的な心理学の内容を、科学的・論理的な論文・意見を参照しながら、非科学的・非論理的に批判するという、なんとも奇妙な構成です。ほとんどの章に批判対象の心理学的事象や批判の論理展開に関する根本的な誤解が見てとれますが、参照する論文は良い論文や書物なものですから、あながち間違ってもいないという面白さがあります。
 この本の中で繰り返される論理的誤謬のパターンは、「黒鳥がいるから、白鳥はいない」といったものです。また、特に統計量の無いことに関しての決め付けが目立ちます。「大抵の○○は××している」という表現に出会ったら、まず根拠の無い印象論です。

 フロイトがフロイトを批判しているようなもので、非科学的な思考というのはむしろ一部の「わかっていない」科学者に顕著なのではないかという私の印象に拍車をかける結果となりました。
目からうろこでした! ★★★★★
少年犯罪や猟奇的殺人が起きるたびに、その人の生い立ちが取りざたされ、「母親が悪い」「育った環境が悪い」「学校生活がうまくいっていなかったから・・」などなど当人以外の要因があげられ、責任が転嫁されているのに疑問を持っていました。この本を読んで、そのような外的要素がほとんど個人に影響を与えず、大半は当人の遺伝子に起因する、要は当人の問題であると、明確にしていて、胸のつかえがとれた気がします。
むしろ、サイコセラピストなどは、そういった多かれ少なかれ誰もが持つ過去のトラウマをほじくり返して、それに現在の問題の原因にしてしまうという、サイコセラピストにかかる副作用的なことも言及されていてとても興味深かったです。
ぜひお勧めいたします。