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ベートーヴェン : リスト編・ピアノによる 「田園」(全曲)

価格: ¥2,650
カテゴリ: CD
ブランド: ソニーレコード
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この演奏が真価を発揮するのは、さらに高音質化されてからだろう。 ★★★★☆
グールドには「田園」の第1楽章だけの録音があるが、それは適度なテンポできびきびしており、オーケストラ演奏だとワルター盤を最上と考える者にとっては「田園」のピアノ演奏として最高のものだと思う。

では遅いテンポ設定で有名すぎる本作の録音が面白くないかと言うと、そうではない。一音一音を大切に紡ぎだし、これだけ遅いテンポでグールド流田園を破綻させることなくまとめあげるスリルがある。ジャズのスタンダード曲やボブ・ディランの自作曲のアレンジにわくわくする感覚に似ている。結果は、ギリギリの所で「田園」の風格を壊さずに、その骨格を浮かび上がらせる演奏になっている。

ただ、ピアノの一音一音をきれいに響かせる演奏だが、本作の録音ではピアノの音の美しさを堪能するには物足りない。更にリマスタリングが必要と思うが、その後リマスター盤発売のニュースを聴かないし、限界があるのかな? 音質が向上すれば、本作の印象・評価も向上するだろう。惜しい作品だ。
再構成する愉しみ ★★★★★
1968年6月11日、CBCラジオ・ブロードキャストにて録音。グールドには同じ1968年に当初『運命』とのカップリングで『田園』の第一楽章だけを録音した別バージョンが存在する。そちらはグールドのデビュー25周年記念アルバムである『シルバー・ジュビリー・アルバム』の演奏のトリも飾っているのだが、9分56秒と本アルバムの第一楽章の12分28秒に比べると随分短い。また第一楽章だけ世に出るというのも、グールドにしてはレアなケースで何らかの意図があって同じ年の2つのバージョンを出したのかも知れないが、今となっては不明だ。

どちらにせよ僕はこちらの全曲盤の方が好きである。バッハでもそうだったがグールドは作品をまったく違ったカタチでとらえて再構成し、解釈してみせる。その最も成功した例がこの『田園』だと思う。シンフォニーとして慣れ親しんだこの曲が、まるでベートーヴェンがピアノでこの曲の素描をしてみせているような錯覚すら感じさせてくれる。作曲途中の『田園』を再構成しているような愉しみがある。

トータル55分27秒、5楽章に及ぶ長大なピアノ・ソナタを聴いているような名演だ。
第5楽章が素晴らしい ★★★★☆
 私は以前オーケストラによるこの曲が苦手で、特に第5楽章はなかなかその魅力に気が付かなかったのですが、Gouldのこの演奏を聴いて以来この楽章が好きになって口ずさむまでになりました。Gouldは曲に、作曲家が意図しなかった良さを吹き込むのが上手い。Katsarisのように苦しさを見せてテンポが不安定になることがなく、余裕を保っているのはGouldの技術の素晴らしさを物語るものでしょう。ただ、第2楽章がちょっと長すぎます。
聴きづらい演奏 ★★☆☆☆
 歌心あふれる演奏には違いないが、わたしから言わせてもらえれば、聴きづらい演奏だ。特に、第2楽章は、演奏時間が通常の2倍近くもかかっていて、聴いていて肩がこってしまう。
 好みは人それぞれだから、こんなことを言うのは申し訳ないけれど、この演奏は、どうしても好きになれない。
 わたしは、技巧的で、テンポ設定がちょうどいいカツァリスの演奏の方が好きだ。
グ-ルドの最高傑作。 ★★★★★
僕はロックファンですが.グ-ルドのCDはほとんど持っています。逆にグ-ルド以外のクラッシックはほとんど聞かないし興味がありません。よくあるパタ-ンです。今まで聞いてきたグ-ルドのCDで一番好きなのがこれです。初めて聞いたとき.ビートルズのストロベリ-フィ-ルズフォ-エバ-に匹敵するのはこれしかない.と大興奮してしまいました。以来.大愛聴盤で私的ベスト10アルバムの1枚になりました。第一楽章は.シルヴァ-ジュビリ-アルバムで別ヴァ-ジョンが聞けますが.僕はこっちの方が断然好きです。俵孝太郎氏は向こうの方が好きだそうですが。1968年6月11日録音。カナダCBCによるラジオ放送用録音.いいですね-やっぱり。