インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

プラットフォーム

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 角川書店
Amazon.co.jpで確認
危険な書物 ★★★★★
セックスに彩られた扇情的な小説だ。これが、ヨーロッパで議論を巻き起こしたのも無理がないだろう。しかし、この小説は単にヨーロッパ人の性への満たされない渇望を描いているのではない。むしろ純粋な愛を描く。

 政治、ビジネス、人権、宗教。人間は、何のために生きるのか。たった一人の愛する人と愛撫を交わすためだ。結局、この小説はそれだけを言っている。
 
 「読書のない生活は危険だ。人生だけで満足しなくてはならなくなる。」
 
 おそらく、自分はタイに行くことも、マッサージガールを買うこともないだろう。しかし、読書することで日常とは異なる刺激を得ることが可能だ。本書は、まさに知性を刺激する。

 危険な書物だ。
エンタテインメントへのアンチテーゼ?? ★★★★☆
まず、おもしろい。父の殺害、バカンスでの恋、破天荒なセックスビジネス、などなどなどトピックが盛りだくさんで、ハリウッド映画的なエンタテインメントっぷり。
その盛りだくさんさのあまり、主人公のフランス的?精神性が相対的に薄味に感じてしまうところが惜しいけど、なかなか楽しめました。ラストはそりゃありかい、って感じがしましたが。
でもそのトピック的盛りだくさんさには、そういうものに対するアンチテーゼのような投げやりさも感じて、それが単にああおもしろかった、だけでないひっかかりとして残ったかな。
でも小説としては「素粒子」のほうが断然凄いと思います。
つぎへ期待か・・・ ★★★☆☆
素粒子、に続く邦訳出版をやや期待を込めて読んだ。それでも
個人的な好みを除いたとしても、なんだかウェルベックの性の
描写の多さ・救いの無さ、突き詰めていけば西洋人
の中年の姿に食傷ぎみになっている。かれが問題に取り上げる
というよりただただ赤裸々に、ややオーバーに描く現代の黄昏

について、これまでの本で思想的にも底をついてしまった感が。
むしろ本国でかれの評判を高める鋭い批評や短文のものの方が
邦訳を待つと言わざるを得ない。

第三次形而上学的変異後の世界のための土台 ★★★★☆
 西欧人が好むものはなにか。性の満足だと「僕」(ミシェル)は言う。《一方に数億人という西欧人がいる。彼らは欲しいものはなんでも持っている。ただし性の満足だけは得られない。探してはいる。ずっと探しつづけている。しかしなにも見つけられない。そして骨の髄まで不幸だ。網一方に数億人という持たざる人間がいる。彼らは飢餓に苦しんでいる。若くして死んでいる。不衛生な環境で暮らしている。体と、まだ傷のついていないセックスを売るほか手段を持たない。ことは簡単だ。至って簡単じゃないか。まさに交換にうってつけの状況だ。》

 こうして、「僕」とヴァレリーとジャン=イヴの三人は「世界の運命のための土台[プラットフォーム]」を、つまり「クラブ・アフロディーテ」と名づけられるツアーの企画を打ち立てる。《セックス観光とは世界の未来像なのだ。》──ここには、『素粒子』で示された、一神教の発明、科学革命に次ぐ第三次形而上学的変異後の「快感のエコノミー」をめぐる資本主義的変異が描かれている。(もっとも、この「風変わりなクラブ」は立ち上げられると同時に、タイのクラビーでの無差別テロによって破砕されるのだが。)