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字書を作る

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: 平凡社
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字書に賭けた命 ★★★★★
  『字書を作る』のが宿命のようであった著者白川静。そのバイタリティーは他の追随を許さない厳しさがある。 晩年を字書作りに専念した著者の取り組みが要約されている。
三部の字書について語られている。
「辞書」を用いず、「字書」としているのは、漢字の本来の字義と、その用義性を通じて示される字義を明らかにするのがねらいであるからだ。
『字統』の編集について…その字の初形と初義とを明らかにする「字源の字書」である。
三千数百年前の生活と思惟のしかたを反映している。文字はつねに過去の文化を継承し、またそれを通じて新しい創造への源泉であった。この書には全部で6800余字が収められている。
『字訓』の編集について…この書は漢字を国字として使用し、その訓義が定着するに至った過程を、古代語の表記のしかたのうちに求めて、その適合性を検証することを求めている。国字問題の起点は、字訓による漢字の国字化という、本来の漢字受容のしかたの上にある。
『字通』の編集について…本書は前二書に続いて出され、一般字書として編集されている『字統』が字源、その字形学的な研究、『字訓』が漢字を国字化する過程についての問題を取り扱ったのに対して、それらの問題を含みながら、字の用義法を中心としている。

辞書を作るのは楽しい ★★★★☆
「辞書を作るという作業は、楽しいものである。苦労は多いが、苦労は苦痛ではない。大きく言えば理想がある。」文字学者白川静氏が辞書作りにかける思いを綴っている書です。◆白川氏の理想とは、漢字による東洋の回復です。「文化の上から言えば、世界は印欧系とアラブ系と東アジア系とに三分されるが、この東アジアだけが最も原始的な文字を持っている。かつて全ヨーロッパのそれに匹敵し、一貫した伝統を誇るものであったことを、欧米人が知らぬのみでなく、アジア人もそのことを忘れている。」「漢字は、印欧語のどれよりも合理的な構造を持ち、すべての字をその構造の上から説明できる。まず漢字の難関を越えやすいものとしなくてはならない。漢字が世界の文字になることによって、漢字文化圏も初めて文化的に世界に参加しうる。東洋の回復があって、世界という概念が実質的な意味を持つことができる。漢字はその運命をになっているのである。」という氏の主張は共感できます。◆入門書とはいうものの通読するには専門的知識が必要。