発想のトレーニングとしてはいいかも
★★★☆☆
「三位一体」ということに興味があって読みました。世の中のいろいろな事象や活動(ビジネスなど)について、要素を父・子・聖霊の性質にあてはめて考えれば問題が見えてくるということです。
以前に読んだキリスト教の解説書には、「父・子・聖霊とは、神の3つのペルソナであり、それが何かということはいわく言い難いもので、その理解は秘儀であり、深い信仰の中で啓示として与えられる」というような意味のことが書かれていました。中沢氏は深い信仰に匹敵する研究をされて、いわく言い難い部分を体得していらっしゃるのでしょうから、ここに述べられている三位一体モデル=公式に何をあてはめるか、直観的にわかるのだと思います。しかし、全く理解のない人がこのモデルを問題解決の手法として使うのは無理がある気がしました。
また、「聖霊は増殖するものだから、(従来、悪とされてきた)利殖もOKだ」と解釈して西洋資本主義が発達した流れはわかりましたが、その解釈がそもそもキリスト以降の人たちのご都合主義的な流れに支えられてきたとも書いてあったので、それであれば、このモデルは、西洋資本主義の事象についてのみあてはめるのが妥当ではないかと感じました。
ただ、いろいろな角度から物事を見てみると言う発想のトレーニングにはなると思いましたので、星3つです。
わかりません。
★☆☆☆☆
言っている意味が全然わからなかった……。
自分の読解力が低いのかとも思ったけど、
そもそも「世間の出来事をわかりやすく説明するためのモデル」に
読解力が必要とされるんじゃ意味がないじゃないか。
僕も個人的にキリスト教には興味があるけれど、
「三位一体」の考え方はむしろ、
一般の人に実感できる倫理的なものだった協議を、
「知識人にしかわからない形而上学的なもの」にしてしまって、
大衆に反論できなくした、
という点でキリスト教の興隆を支えたのであって、
それが「誰にでも実感できる普遍的な思考だった」からだ、
という意見には違和感を覚える。
三位一体の教義が信者にとって都合の良いものだったから、
キリスト教は大きく広がったし、それを信じていた国は
資本主義を発展させることができた、という説に異論はないけれど、
第三章の「「三位一体」で、現代社会を解き明かす」という目的は、
さっぱり果たされていないように見える。
糸井重里氏をはじめ、この講義で何かをつかんだ(あるいはそういう気になった)人たちは、
何をどう理解したのか、教えてもらいたいと思った。
薄いのに高い
★★☆☆☆
持ち歩けるように薄くてもいいと思ったと製作者が前書きで言っているが、持ち歩かないでしょう。帯でタモリが言ってるように30分で読めちゃう内容なんだから。
その薄さにしては高い。
それに星1つの評価の方の言うとおり、何でも無理やりこのモデルに当てはめてるだけ。しかも付録の座談会に参加している人たちのなかにはどう考えてもキリスト教の三位一体の聖霊には当てはまらないものを当然かのように当て嵌めて疑いもしてないように見える人がいる。
とはいえこの座談会で製作者たちが中沢モデルの何を面白がっているのかはよくわかった。このモデルにスポーツを当て嵌めたのはとっても面白かった。この最後の部分だけが気に入ったので星2つ。
三位一体をデフォルトに色んな物事を考えてみようという一種の遊び
★★★☆☆
いわゆる三位一体は「父=社会的な法」「子=幻想力」「聖霊=増殖力」っていうキリスト教の教義に原典がある訳だけど、これを“人類に普遍的な思考模型”って解釈してみせたのが本書の「三位一体モデル」。まあ「3」って単位は三原色とか三権分立とか様々な事柄の基本単位だし、3つの円によるベン図ってのも見慣れているよね。さらに本編を受けた座談会では「『三位一体モデル』が描ききれない事柄を見つけるために、この『三位一体モデル』がある、という考え方」まで提示されていて、ここまで自由度が高いモデルってのは“なんでもあり”であり、その実“なんでもない”ってことだわな。この薄っぺらい本が教典だったり、三位一体モデルってのが真理だったり原理だったりってことではなく。3つの円によるベン図をデフォルトに色んな物事を考えてみようという一種の遊びだよね。座談会で繰り広げられる議論はこの文脈に沿っていて、参加者の皆さんよくわかってらっしゃるって感じ。プチ哲学、ミニチュア教典、原理ごっこ...一方で、「ほぼ日」の内輪っぽいテイストがこの本にはのぺっと貼り付いているので、妙にマジに教義っぽく捉えちゃうムキもあるかもしれない。気をつけましょうね、遊びなんだから。本書でも触れている西洋音階的なものとして窮屈に三位一体モデルを考える必要なんてまったくないのよ。
三位一体モデルを使って大雑把に現代社会を総括すると、父不在ってことなんだろうから、すでに三位一体モデルの原理原則は現代においては崩れていると言えるのかもしれないしね。
難しいよ、そもそもキリスト教に興味ないし
★★★★☆
正直に言ってしまおう。
良くわからなかった。
ビジネス本みたいにさくっとわかりやすいという種類の本ではない。
読み終えてしばらくたってからじわじわと沁みてくるような種類の本である。
で、私なりに三位一体の例を考えてみた。
父=公理
子=観察者もしくは意識
精霊=不完全性定理もしくは不確定性原理
どうでしょうか?