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未来歳時記・バイオの黙示録 (ヤングジャンプコミックス)

価格: ¥840
カテゴリ: コミック
ブランド: 集英社
Amazon.co.jpで確認
20年前に読みたかった ★★★☆☆
今更言うのもなんだが、諸星大二郎には二つの引き出しがある。
一つは古代モノ・中国古典モノ。
もう一つがSF、近未来サスペンスモノ。
前者の名作が『孔子暗黒伝』や『生命の木』なら
後者の名作は『夢見る機械』『食事の時間』といった所だろう。
個人的には『子供の王国』なんかリアルで怖くって好きだ。

で、今回の『未来歳時記』。
無論後者に属する短編集で、今まで扱ってこなかった遺伝子モノだ。
『遺伝子汚染』という、実はすでにわれわれの周りで起っているかもしれない
恐怖を、寓話にのせて物悲しく描いていく。
卓越した着想、皮肉な結末など、久しく諸星漫画から消えていたものが感じられる。
かつての諸星漫画のテイストが蘇っている。
だが…
やはり、この作品にも諸星作品の本質である『闇』がない。
作品の根底を流れる恐ろしい闇が。
全盛期にはどの作品にも脈々と流れ、作品を禍々しく包み込んでいた暗黒。
それこそは諸星大二郎自身の『心の闇』だったのだ。
残念なことに、諸星作品は十分すぎるほど評価され、
そして暗黒は隅々まで照らされてしまった。

この作品、20年前に描いていたら新たなバイブルになっていたかも知れない。
そう思うと、惜しい限りだ。
諸星大二郎らしいテーマのSF作品 ★★★★★
 「生物都市」で強烈な印象で手塚賞を受賞した作者が、原点に立ち返ってテーマを深堀りした感じの作品集だ。
 「生物都市」は一言で言えば「無機物と有機物の融合による永遠の生命の獲得」というテーマだったが、今回は「有機物同士、遺伝子操作の暴走で禁じられたキメラ生物になることで延命する人類」がテーマと言えよう。全体的に文明批評の性格が強い気はするが、モチーフはいかにも諸星大二郎だと感じた。
 連作長編の形で入れ替わっていく主人公達の悲劇と希望が描かれる。お得意のブラックなギャグや、独特のダルマ型のロボット機械なども登場する、いつもの諸星ワールドである。エピソードの中では「百鬼夜行」に特に感心した。古くからあるエピソードをこのような形で消化するとはさすがである。
ちょっと評価が分かれるかも ★★★☆☆
紛れも無く諸星大二郎の絵なんだが、ちょっと違うような気もする。
妖怪ハンターシリーズからファンになり、生物都市へと遡っていった人間としては
この作品には何か受け入れがたいものがあるのだ。
どこかで見たような記憶のあるストーリーというか、ハッとさせられるような
斬新さが無いというか…。もちろんその種のものを期待するのが間違っているのかも
しれないが。
数年後に読み返すと全く違った読後感を得るかもしれない。
人間の遺伝子を混ぜた家畜は食べたくないなぁ。 ★★★★★
でも逆に動物や植物の混じった人間が止めようも無く生まれてきてしまう百鬼夜行の未来世界ってのは、全てが混じってしまうユートピアを描いた作品を懐かしく思い出させてくれる変奏曲のようで心地よいマンガ体験。
身体は変化しても愛は変化しない(といいなあ) ★★★★★
人間の遺伝子に少しずつ他のものの遺伝子がまじって変わっていく………という話。

諸星大二郎はこんなふうに「変身する」という話をかかせたらうまい。どろどろとわけのわかんないもに肉から変化していく、っていう気味悪さが作家の線にすごくあっている。

個人的には「変身」をテーマにしたものじゃなくてかかしロボットが鳥少女に愛情を寄せる話が好き。かかしかっこいいから。