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深想心理 二重螺旋 5 (キャラ文庫)

価格: ¥597
カテゴリ: 文庫
ブランド: 徳間書店
Amazon.co.jpで確認
薦められて読みました ★★☆☆☆
高評価な理由は理解します。
(比較的早いペースの刊行、イラスト、
それなりにストーリーらしき物がある点)
でも私はCDドラマまで聞きましたが
ちっとも良い作品とは思いません。

まず、文章が素人以下。
変な装飾や区切り、文字数稼ぎの繰り返しと
意味のない冗漫な描写満載でイライラします。
百歩譲って個性的表現としましょう、
たまに挿入される程度ならアクセントになり得ますが、
地の文・会話文・心の声全てがおかしな日本語って
はたして商業小説としてありなのでしょうか?

作品の売りと思われる心理描写は、浅薄の一言に尽きます。
主役から脇役まで一シーンの例外無く、
作者に都合良くキレたり泣いたり右往左往するので呆れました。

作品構成要素がハーフ紛いの外見”超絶美形”モデル、
”清楚系”受け、兄弟近親相姦、父や姉との確執、母の自殺と
派手目の設定にしている分、一層こけおどし感が増してます。
(尚、””内の形容は本文に頻出します。
著者の表現の貧しさが伺えます)

しかし、やり尽くされた設定であっても、
ドロドロの緊張感ある展開なら面白く読めるものです。
ドラマが無くても有るように演出するテクニックも存在します。
例えば初期巻の展開は二人の心が通じてない設定及び
ストーリーがまだ固まってない為に
それなりに緊張感が感じられました。
しかし、この巻は相思相愛の仲になり、ストーリーが進んで、
設定のご都合主義・破綻が目立ち密度が薄く平坦、
まったく緊張感がありません。
なにせ「暴露本が出てマスコミが五月蝿い」以上の内容のみ。
冒頭いきなり、熱帯夜と伝えるためだけに3頁も費やす水増し具合に、
エロシーンもノルマがあったので入れました程度のやっつけ仕事。
そりゃ刊行ペースも早い訳です。

トドメのあとがきは、お馴染み大変でしたアピールと
ドラマCDの宣伝の自分語りでした。
嘘でも読者への感謝を書けばよいのに……。
とことん読者向きの配慮がない作家だと思います。
素晴らしいです ★★★★★
素早い刊行が。前刊を忘れない内に刊行されて感無量です。
何より、内容も進んでいて、怒涛の展開に読んでいて愉しかったです。続きもガンガンと早めに出して欲しい巻末でした。
心の奥深くに沈む想いとは…。 ★★★★☆
著者自らが拘るように、もはやBLというより「JUNE」色が強い作品といえるでしょう。
ドロドロした人間の愛憎をあぶり出す描写が濃密で、その行き過ぎな行動の数々に
息が詰まりそうでしたが、雅紀と尚人の関係は甘く恋愛モノとしての描写は少ない
ながらも安定しているので唯一救われる思いでした。

タイトルの『深層心理』通り、色んな視点で個々の内面が掘り下げられています。
愛情の深さ。嫉妬や憎悪。人間のエゴ。失う事と得る事の覚悟や恐怖…。
様々な感情を登場人物たちは(心の奥底で)抱いていて、それが弾けた時の事を
想像すると怖くなる。既に表面化してきている現状もあるし…。

成長目覚しいのは裕太。とても客観的に状況を判断していて頼もしくなった。
また、興味深かったのは父親の暴露本のさわり(独白)が読めるのですが
なんとも浅慮で…。ここまで酷い親だったのか…と実感しました。

もう一つのポイントは沙也加でしょうか。
雅紀への執着心。尚人へ向けられる雅紀の愛情が自分には叶わない辛苦。
そして自分だけ切られたことへの反発。共感は出来ないけど雅紀の愛情を独り占め
している嫉妬の対象として尚人へ憎悪が向うのは仕方がないのかな…?

更に上乗せするような重い展開で益々混沌としてきて次巻も大波乱の予感です…。

初期の頃は、兄弟の禁忌にゾクゾクしながら読んでいましたが雅紀と尚人の関係は
揺るがないと思うので、この急展開した愛憎劇が一体どこへ向おうとしているのか!?
…終着点をしっかり見届けたいです。

イラストは流石の安定感で表紙&挿し絵、大満足でした♪
進みました ★★★★☆
繰言のように同じ文章が続き、中々先に進まない最近の吉原作品。
今回も…と思っていたら意外に内容がありまして嬉しいかぎりでした。

Hは少な目ですが、ナオと雅紀のラブ度は上がっててホッとします。
裕太もかなりしっかりしてきて、3人の絆も一層強くなったようです。
番犬トリオも健在で、尚人を背に庇うナイト桜坂も楽しめました。

極悪非道の父親もどうしようもないわね、まったくマスコミもヒマだね、と思いますが話の展開上は必要なのだし仕方ないですよね。
しかし、女性に対して悪意があるのかと思えるような沙也加の描写はどうなんでしょう?
いくらBLでも酷すぎるような気が…。

そして内容も後書きにもあるように、ここまでやりますか…?
BLでなくてJUNEだからアリなのだそうですが、何かJUNEというより橋田ドラマのような気がしてきました。
次巻では、もうこれ以上ドロドロにはならないことを祈ります。
1年で続巻発行、嬉しいです ★★★★★
前巻で雅紀兄さんにばっさり切り捨てられて泣いていたサヤ姉の暴走。
確かに弟と妹への庇護の差の激しさを感じれば、思うところはありまくりでしょう。
とはいえ、それが思いっきり尚に向くところが、未熟というか考え無しというか。
挿絵では凄く大人っぽく(きつい女性に)見えましたが、やっぱりまだ大学生だからなぁ。

ともかく、尚にとっては真山姉妹に続いた女難の巻でした。
ただ、ひどく暴力的な悪意が向けられている訳ではないので、ドロドロとはいえ、
読者としては疲れずに読めるのではないでしょうか。

番犬トリオのガードぶり、雅紀兄さんの最強の守護天使ぶりも健在です。
そして、今回一番印象的だったのは、最近成長著しい裕太の応対でした。今後も頑張れ!

3兄弟に斬り捨てられたと自覚した沙也加の今後の行動が気になりますし、ラストで
発生した大事件で事態がどう動くのか、また気を揉まされます。

吉原先生、早めの続巻発行をお願いします!
あと、「子供の領分」の続巻。特に大地の高校の体育祭編も熱く期待してます!

ファンの皆さん、秋に出るというドラマCDのためにも予習はしっかりしておきましょう(笑)。
オススメ腐生活 ★★★★★
二十螺旋の5冊目です。
大好物の近親相姦モノ。しかも兄×弟。
ジャンルは吉原先生曰く、BLではなくJUNEだそうです。

時間の流れがゆったりな分、中身はとても深いです。
心理描写が細かく描かれていて、より感情移入しやすいのですが、
内容がJUNEなので、かなり重い後味です。
私はその重さが大好きなのですが。

じっくり味わいたい方にオススメです。